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YET, IT MOVES! それでも地球は回っている!

HAPPENINGText: Victor Moreno


ヤコブ・クスク・ステンセン「Tongues of Verglas / Les Langues de Verglas」(2023年)、コンテンポラリー・コペンハーゲン(CC)「Yet, It Moves!」(2023年)展示風景

ヤコブ・クスク・ステンセンの「Tongues of Verglas / Les Langues de Verglas(ベルグラ(岩に張り付いた氷河)の舌)」(2023年)。この作品は、「Yet, It Moves!」展のための大規模なインスタレーション。湿地、時間、そして液体から結晶へと変化する水の状態に対する作家の関心に根ざしたこの作品は、氷河を模した火山砂の床と、高く吊り下げられた大きなデジタル・スクリーンのコントラストが、まるでインスタレーションが真空の中に浮かんでいるかのような空間を立ち上げる。氷河の環境を再現したサウンドトラックが流れる中、映像はスローモーションで、世界の創造の過程、これらの氷の形成に必要な100万年の歳月を強調し、敬意を表している。


イェンナ・ステラ「Pond Brain」(2023年)、コンテンポラリー・コペンハーゲン(CC)「Yet, It Moves!」(2023年)展示風景

フィンランド人アーティスト、イェンナ・ステラの「Pond Brain」(2023年)。この作品は、星がどのように生まれたかを探求している。地球上のすべての水は、私たちの銀河系で星が生まれたときに放出された水蒸気の雲に由来する。ステラは、水の振動を脳の電磁波に見立てた。水を満たしたブロンズのボウルの上に吊るされたマイクが、壁に投影された水滴の音波をとらえ、その動きは脳の突起に似ている。タイトルは、1960年代に生物学からインスピレーションを得て型破りなコンピュータを開発したイギリスの科学者、スタッフォード・ビーアの仕事を暗示している。雫が水に当たるたびに異なるパターンと音が反響し、私たちの脳内の変化し続けるバリエーションを反映している。


ヒリーネ・ニュマン「Carte De Continuonus – What do we remember that we want the future to remember?」(2023年)、コンテンポラリー・コペンハーゲン(CC)「Yet, It Moves!」(2023年)インスタレーション展示風景

全参加アーティストは以下のとおり。池田亮司(日本)、ヤコブ・クスク・ステンセン(デンマーク)、イェンナ・ステラ(フィンランド)、リジア・ブートン(ブラジル/アメリカ)、ヒリーネ・ニュマン(デンマーク)、ニーナ・ノヴァク(ポーランド/ドイツ)、イェンス・セターグレン(デンマーク)、ブラック・クォンタム・フューチャリズム(アメリカ)、セシリア・ベンゴレア(アルゼンチン)、セシリエ・ワーグナー・ファルケンストレム(デンマーク)、ノラ・トゥラト(クロアチア)。

CCは、このように国際的なアーティストや研究機関が同じコンセプトのもとに一堂に会する、またとない機会を実現した。それは、このギャラリーの広大な展示スペースを贅沢に使って美しく配置された共同作業である。

Yet, it moves!
会期:2023年5月12日(金)〜12月30日(土)
開館時間:11:00~18:00(木曜は21:00まで)
休館日:月・火曜日
会場:コンテンポラリー・コペンハーゲン(CC)
住所:Refshalevej 173A, 1432 Copenhagen K
TEL:+45 2989 8087
https://copenhagencontemporary.org

Text: Victor Moreno
Translation: Yuko Shimohara
Photos: David Stjernholm, Courtesy of Contemporary Copenhagen

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