チャールズ綱島

PEOPLEText: Antoine Revoy

チャールズ綱島は日本人とフランス人の血を引いた学際的なデザイナーであり、特にインテリアデザイン、家具やプロダクトデザインの分野で活躍している。彼の作品は、その絶妙な職人技と洗練されたフォルムで知られているのだ。チャールズは、自身の仕事に優れたデザインの整合性を与えるように、コンセプトづくりから手作業や機械作業に至る製造工程一つ一つを行う稀な存在でもある。

彼は以前にイッセイミヤケやノールで働き、ロードアイランドデザインスクール(RISD)で工業デザインやテキスタイルを学んだのち、現在は多摩美術大学で教鞭を取っている。2006年、彼はクラフトマンシップと産業の歴史的地区である東京の墨田区に、自身のデザイン事務所「ジェネライト」を設立した。

Charles Tsunashima

まずは、ご自身とデザイン哲学を紹介してください。

私は自分自身を東洋と西洋の文化の混じり合った人間で、デザインや美術工芸の総合的なクリエイターだと捉えています。

生活とデザインにおける私の見解は、80年代の隠喩であり、私が「録音/再生の哲学」と呼ぶものによって説明することができます。「記録」と「再生」は、オーディオカセットテーププレーヤーで使用する時に良く見かけた赤丸と黒い三角形で、録音する時は2つを同時に押していましたよね。まあ、私は日常生活とはそれと同じようなことだと思うのです、つまり私たちは学び(記録し)、我々は生きて(再生して)いるのです。例えばあなたが今から何かを再生するという時、過去の記録と同時に今録音していることも再生します。記録や再生が意味するものは、私の人生の一瞬一瞬が、私の人生そのものを形作り、影響を与えることであると私は考えているのです。

charles-tsunashima-genereight-2.jpg

日本とフランスの文化、アメリカ研修という多文化を背景に持つ側面があなたの美学やデザインセンスを形づくることについてどのように感じていらっしゃいますか?

私は、アメリカ人の実用主義的で革新的な視点と同様に、日本人の削ぎ落とされた本質主義やフランス人の生きる喜びと上品さを愛しています。

charles-tsunashima-genereight-3.jpg

あなた自身が経営してるデザイン事務所「ジェネライト」について教えて頂けますか?

ジェネライト(genereight)とは「ジェネレイト(generate)/生み出す」という言葉と数字の「8(eight)」をあわせた造語です。私が思うに、「ジェネレイト」は発展や表現、普及を意味し、「8」は無限大の象徴です。創造に対する私の抱負のようなものです。

我が社のモットーは「ハンドクラフト環境を純化する事」であり、それは家具を中心としたインテリアに関連する様々なサービスを提供することです。家の設計/製造、コンサルティング、コラボレーション、卸・小売業を含めた幅広い相互作用があります。

あなたの主な毎日の仕事は何ですか?

会社の代表者としてデザインにはじまり、会計などの雑用まで全てをこなしています。この実践的なアプローチ手法は、相乗効果を伴い、異なる分野での活動機会をも作り出すのです。

たとえば、速い設計ペースとなる傾向があるという意味では、卸売りに関していえば低価格で効率的な生産技術を要求することができます。同時に、取り付け家具生産は、より高額ではありますが比較的大幅な設計開発プロセスを可能にする非常に細かい提案でもあるのです。相乗効果を発揮するのは、繰り返し相互に形成しあい、影響を与え、連動し合う全ての異なる分野においてこそです。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE