クリストファー・マコス

PEOPLEText: Sumie Okada

ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルと公私にわたり交流し、現在もニューヨークのアートシーンの中心で活躍する写真家、クリストファー・マコス。米国・マサチューセッツ州に生まれ、パリでマン・レイに弟子入り。70年代初頭からグラフィック・フォトジャーナリズムを発展させる取り組みをすることに。彼の作品はアメリカ、ヨーロッパ、そして日本の美術館やギャラリーの壁を飾り、世界中の雑誌や新聞に掲載されている。

クリストファー・マコス

6月から開催されている「ウォーホール・イン・チャイナ展」に合わせて来海。1982年に中国を旅した時の貴重な写真とともに、ウォーホルとのコラボレーションの数々を披露した。今なお精力的に作品を発表し続けるマコス氏にウォーホルとの思い出や彼の創作活動について伺った。

1982年に中国を訪れていますが、それ以降、中国へはいらしてますか?

かれこれ3、4回かな。北京オリンピック前後に行っていて、その時はちょうど1982年に中国を旅した時のアンディを撮影した「アンディ・イン・チャイナ」という写真集を出版した時期でもあったんだ。

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Andy, Tien. Square © Christopher Makos

上海へもいらしてますね?

3~4回は訪れているよ。私にとって上海は、どちらかといえばロサンゼルスで、北京はニューヨークみたいな感じかな。上海にはフランス人や英国人など外国人が沢山いるし、歴史を感じさせる建築の建物が川沿いにある雰囲気が、どことなく他とは違う感覚を覚えさせるんだよ。上海は北京とは違って、ゆったりとしていて、少し自由な感じ。まあ、首都はパリでもワシントンでもビジネス中心の都市って感じだけどね。

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At the Great Wall

あなたにとって最初の中国の印象、イメージはいかがでしょう?

国の大きさ、人の多さ、そして人々の服装かな。当時はみんな似たような服を着ていることに驚いたね。でも、それがとても新鮮でクールに映ったよ。アンディと人民服を来た人々と一緒に撮影もしたし。最近のイメージとしては、「変化する国」。以前は中国のことで報道されるのは、大概が政治関係のニュースばかりだったけど、今は色んなニュースが報道されるからね。中国は世界のステージに立っていて、様々に変化する様子は興味深いね。

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Andy in the Forbidden City 1982 © Christopher Makos

文化の違いはどう感じていますか?

初めて中国を訪れた時は、芸術家といえば書道家くらいだったのに、オリンピック直前に訪れた時には、北京の798芸術区上海のアート地区に行ったりしたし、コンテンポラリーアートの面でも、アイ・ウェイウェイやその他の沢山のアーティストの活躍を目の当たりにしたよ。中国はとても大きなアートシーンになっていると思うよ。

1982年の中国訪問時に何か面白いエピソードやハプニングがありましたか?

香港滞在中の私たちを、アルフレッド・シュウがサプライズで北京に招待してくれたんだ。それで万里の長城や北京オペラなどを観に行ったりした。北京の街にはエレベーターやマクドナルド、KFCが無いことも驚きだったよ。アーティストとしては、紫禁城がとても芸術的に映ったし、人々の着ている服まで、旅の全てが芸術的で文化的だったね。

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