旧ユダヤ人女子学校
PLACEText: Kiyohide Hayashi
建物2階にスペースを展開するのは、カメラ・ワーク・コンテンポラリー・ギャラリー。ベルリンで写真作品を扱うギャラリー、カメラ・ワークが新たに用意した二つ目のスペースである。本店では主にファッション写真などを扱っているが、新しいスペースでは写真だけでなく彫刻やペインティングを扱い、新たな展開を行っていくようだ。400平方メートルに及ぶかつての教室や廊下を用いた展示スペースの中で、素晴らしい作品と出会えることになるだろう。
カメラ・ワーク・コンテンポラリー・ギャラリー Photo Courtesy of CWC GALLERY
建物4階に入るギャラリーは、EIGEN + ART Lab。ライプツィヒを拠点とするギャラリー、EIGEN + ARTの支店であり、今回のスペースはベルリンでの二つ目の展示場所となる。ギャラリストのゲルト・ハリー・リィブッケは日本でも知名度の高いカールステン・ニコライや、ライプツィヒ出身のペインター、ネオ・ラウホなどを世界的なスターへと育てたことで名高い。EIGEN + ARTが今までベルリンで展示を行ってきた場所はコンプレックスから僅か数100メートル離れたところ。つまりギャラリーは1992年から再開発の波にも負けず、ミッテにおけるアート・シーンの火を守り続けてきていたのだ。今回、同じ通りに二つ目のスペースを設けたように、ミッテに対するギャラリーの並々ならぬ思いが伝わってくる。
ミハエル・フックス・ギャラリー Photo: Stefan Korte
そして同じく建物の4階に入るのは、ミハエル・フックス・ギャラリー。1997年よりベルリンでギャラリー・ハァス・アンド・フックスを共同で率いてきたミハエル・フックスによる新しいギャラリーだ。イケムラレイコ、フランク・ステラ、そしてチャック・クロースがギャラリーに所属しており、今後はミッテで質の高い展示が見ることができるに違いない。
ミハエル・フックス Photo: Stefan Korte
またミハエル・フックスはギャラリストだけでなく、このコンプレックスを生み出したプロジェクトのリーダーでもある。今回この建物を20年契約で借り上げて、他のギャラリーにスペースを貸し出しており、今後は他にもコレクターや他の美術系施設にスペースを貸し出すことも検討しているという。このような注目を集める場をどのように運用していくかは、まさにミッテの復活に関わることでもあり、今後の展開が非常に気になるところだ。
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