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ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち

THINGSText: Wakana Kawahito

確かに、3D映像はダンス映画に向いている表現方法だ。舞台というライブで生身の人間が繰り出す躍動感や生命力は、単純に映像化しただけではなかなか伝えきれない。もちろん、3Dであっても、映像表現と舞台表現はまた別のもの。

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ライブにはかなわない部分もあるのだが、この映画は、舞台では実際に見ることが不可能なダンサーの表情のズームアップや、観客が見ることができない角度からのダンスを見せてくれる。そのため、舞台とは違った楽しみ方がある。また、3Dならではの映像の奥行き効果により、ダンサーたちがまるですぐ目の前で踊っているかのような臨場感を味わえるのだ。

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ピナの求めに必死に答えようとするヴッパタール舞踊団の団員たちの想いが、そしてそれを切り取ろうとするヴィム・ヴェンダース監督の眼差しが、1カット1カットにこめられている。この映画を通して、ピナが繊細な心で懸命に、自己と向き合って作り上げてきた創造と葛藤の歴史を垣間見ることができる。ピナ・バウシュという類希なる才能と、新しい3D映像表現をぜひ堪能して欲しい。

Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち
2012年2月25日(土)より ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9他 全国順次3D公開
https://pina.gaga.ne.jp

Text: Wakana Kawahito
Photos: © 2010 Neue Road Movies GmbH / Eurowide Film Production. Courtesy of GAGA Corporation

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