金子良/のびアニキ

PEOPLEText: Julie Morikawa

金子良は、他者とのコミュニケーションが上手く取れないという自身のマイナス面を、のびアニキとしてパフォーマンスを行うことで、プラス面へと変えたアーティスト。路上でのパフォーマンスからギャラリー、美術館へとその活動は確実に成長を続けている。
岡本太郎美術館での展示に続き、4月2日から開催される札幌ビエンナ―レ・プレ企画2011「アートから出て、アートに出よ。美術館が消える9日間」に参加が決定。
不器用ながらも成長を続ける彼のパフォーマンスをみてみよう。

金子良/のびアニキ
「のびアニキ ブロマイド ごろ寝バージョン」2005

自己紹介をお願いします。

1980年、岩手県生まれ。美術作家。何をしてもドジ、他者とのコミュニケーションが上手く取れないという自らのコンプレックスから生まれたキャラクター。街へ繰り出し、新しい出会い、発見を求めて作品を制作する。 また、展覧会、イベントに出没して、制作した作品をもとに、出会う人々とコミュニケーションを取ろうと図る。黄色いトレーナー、白いシャツ襟、紺の短パン姿という日本の代表的なマンガ/アニメの中のドジなキャラクターを自らと重ね合わせている。

のびアニキとしてアーティスト活動を始めたきっかけは何ですか?

2004年に現代美術作家のヤノベケンジ氏のプロジェクトにスタッフとして半年間参加をしていました。その間、あまりもドジで不器用なため役に立てず、ヤノベさんやスタッフと、だんだん疎遠になっていきました。小さな頃から要領が悪く、そのため消極的な性格だったせいもあると思います。
ある日、やけを起こして、のび太の格好でアトリエに行ったのですが、嫌われるどころか受けたんです。それからは、ドジを起こしても『アイツだからしょうがない』と笑いが生まれ、コミュニケーションが生まれ始めました。それから、この格好をし続けるようになりました。

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「アラウンド運動 マウンテン運転」2011(岡本太郎賞展バージョン) Photo:加藤和也

現在取り組んでいるプロジェクトや活動は何ですか?

札幌ビエンナーレ・プレ企画2011に出展します。

岡本太郎美術館で4月3日まで開催中の、第14回岡本太郎現代美術賞展に選出され、展示しています。

ジャパン・アート・ドネーションのサポーターです。ジャパンアートドネーションは寄せられた義援金を、被災地域の文化、文化施設の復興を目的にした義援金を募っています。これから、被災地を元気にするために。

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「できたらいいな」メタモルフォーゼ展 / 高松市美術館, 2010

何故あえてコミュニケーションが上手く取れないということを、作品の中で表現しようと思ったのですか、また展覧会やイベントに出没し制作した作品をもとに、来場者とコミュニケーションを取ろうとするそうですが、背景にはどのような考えがあるのでしょうか?

不器用でコミュ二ケーションがうまく取れず、悪戦苦闘をしています。まじめにやっているつもりでも見た人は笑ってしまうようです。
この不器用さを逆手にとって、人と出会って楽しませたいと思っています。また不器用でも、少しづつ人として成長していく様子を楽しんでもらえればと思っています。

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スティーヴン・チータム
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