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横山裕一

PEOPLEText: Memi Mizukami

横山さんのことが書かれている物で、海外の物も良く見受けます。海外から評価が高い事についてどう思いますか?

なるべく色々な人に見てもらいたいので、あまり日本特有の物や感情的な物を用いず、不変的な物を描いているからではないでしょうか。あとはセリフもないですから。

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ペインティング作品展示風景「野獣とわたしたち」

今回の展覧会では横山さんの学生時代の油絵など、ファンとしても、とても興奮する作品が見られるのですが、今後はもう油絵を描かないのですか?

そうですね、描きたいとは思いますよ。でも趣味としてですね。絵画は自分の表現したい事を伝えるのが難しいし、先人達が沢山やって来た事を、今現在同じような表現でやる事にあまり意味を感じないのです。やっていてワクワクしないのです。その点漫画では、無人島に家を建てるような気分だった。このやり方はまだ誰もやっていないという確信を持って、自分の伝えたい事を制作できた。でも、人の作品を見る事は大好きです。須田国太郎とかを寝るときに見ています。どういうわけだか彼の作品が非常に好きで、感傷的になります。

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横山裕一 ネオ漫画の全記録 「わたしは時間を描いている」展示風景

どういうスタンスで仕事を行っているのですか?また横山さんのアイディアの源を教えて下さい。

僕は連載という形で制作していなくて、あまり賢いやり方ではないのだけれど、基本的には作品ができたら持って行くというやり方でやっています。もちろん依頼されて描く場合もありますが。でも、時には媚びてしまうような事もあって、だから依頼ではなく純粋に描く方が良いし、そうなりたいです。

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横山裕一 ネオ漫画の全記録 「わたしは時間を描いている」公開制作の様子

身近なところで起こった瞬間や何気ない会話がアイディアになっていると思います。たとえば、マクドナルドで隣に座っている二人組の何気ない会話とか、無理な体勢で机の下に落ちたペンを拾う男性だとか、そういったことを漫画にしたいと感じます。今、次の作品を描いていて、まだ下書きなんですけど、言葉の面白さを表現するギャグ漫画に挑戦しています。なかなか難しいのですが、同じような事はしたくないんです。

ありがとうございました。では最後にコメントを下さい。

私の本を読んで下さい。買うでも借りるでも良いので、本を読んで下さい!

横山裕一は落書きと釣りが好きな少年のような人だ。ただ純粋に絵を描いているのだ。 今回の展示は、横山氏の今まで制作した作品と、彼自身を知れる非常に貴重な展覧会となっている。

横山裕一 ネオ漫画の全記録 「わたしは時間を描いている」
会期:2010年4月24日(土)〜6月20日(日)
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)
会場:川崎市市民ミュージアム
住所:神奈川県川崎市中原区等々力1-2(等々力緑地内)
TEL:044-754-4500
観覧料:一般 600円、学生・65歳以上 400円、中学生以下 無料
https://www.kawasaki-museum.jp

Text: Memi Mizukami

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