フセイン・チャラヤン
PEOPLEText: Wakana Kawahito
服と身体の関係についてどう考えますか?
服は人々に自信と力を与えてくれると思います。私が好きなのは、どのように人々が自分の身体をコントロールして、適応しようとするのか、また、ある特定の身体の部分を見せようとするのか、に関わることです。
Manifest Destiny, Spring/Summer 2003, installation view at the Design Museum, Photo: Luke Hayes
ファッションデザイナーとして、ファッションと他の表現方法をどのように関連づけていますか?
私自身、そのように呼ばれるのは好ましくないのですが、私が行なっているのは、“ファッションアート”などと言われることがあります。自分では、作品をアートだとかファッションだとかと分けて呼びたくないですし、名前を付ける必要もないと思っています。これはアイディアなのです。
ファッションデザイナーがドレスを作るとき、彼/彼女はアイディアがあります。そのアイディアを映像またはドレスにして表現しただけのことであり、元となるアイディアは一緒です。もし人々が私の映像を見たとすれば、それは私の服と同じ世界観なのです。さらには、映像の中でコレクションを発表することも、コレクションの中で映像を発表することもできるでしょう。
今回、東京都現代美術館で開催されている展覧会について教えてください。
オランダ、ドイツ、ロンドンで展示し、東京は4番目の場所です。展示されているのは、過去15年の作品から選ばれたもので、とても厳密に編集され、美的基準によってグループ化されています。たとえば一つの部屋には映像、一つの部屋には彫刻、また他の部屋にはドレス…というように。また沢山のマネキンが空間に配置され、壁にペイントしていたり文字を書いていたりと、様々な動きを表現しています。
この展示は、ファッションデザイナーそしてアーティストとしてのフセイン・チャラヤンが余すところなく表現されている。15年におよぶ、ファッションデザイナーとしての革命的なコレクションの数々。また、これまであまり知られていない、映像作品や彫刻的な作品がアルファベット順に区切られた空間で見ることができる。フセイン・チャラヤンの豊かな創造性がいかんなく発揮された展覧会で、彼の世界に浸ってみてはいかがだろう。
フセイン・チャラヤン – ファッションにはじまり、そしてファッションへ戻る旅
会期:2010年4月3日(土)〜6月20日(日)
開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし5月3日は開館、5月6日は休館)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F
住所:東京都江東区三好4-1-1
観覧料:一般1,200円、大学生・専門学校生900円、中高生600円、小学生以下無料
TEL:03-5245-4111(代表)
https://www.mot-art-museum.jp
Text: Wakana Kawahito