第2回 フランス・アート・トリエンナーレ
HAPPENINGText: Kana Sunayama
前回よりもマシ? 失敗に終わった第2回フランス・アート・トリエンナーレ。
2006年に、「フランスで活躍する現代美術アーティストを国際的に紹介する場を作ろう」という、当時のフランス総理大臣ドミニク・ドヴィルパン氏によって提唱された「La Force de l’Art 02」(フランス・アート・トリエンナーレ/アートの力)が今年第二回目を数え、パリのグランパレで開催された。
14名ものキュレーター各人が発表する展覧会ブースによって構成された第一回目と異なり、今回は ディディエ・オッタンジェー、ジャン=イヴ・ジョアネ、ジャン=ルイ・フロマンという、著名な三名のキュレーターによって総指揮がとられた。しかし、何故ジェネレーションも得意とするアートのジャンルも異にするこの三名が第二回のために選出されたのか、という疑問は展覧会を見たあとにも残る。
13,500m2の面積を持つグランパレ身廊の中心には、建築家フィリップ・ラムによって「ジオロジー・ブランシュ/白い地質」と名付けられた、ガラス天井から燦々とさしこむ太陽の光を反射させる真っ白のストラクチャーが設置され、その「地質」の上に総勢42名のアーティストの作品が、「Les Residents(住人)」というカテゴリーで展示された。
キュレーターたち自身が明白にしているように、 今回のトリエンナーレは、「作品の力」で魅せる「アートの力」展ということで、選ばれたアーティストの名前からも、実際にそれぞれの作品を目の前にしてからも、その共通性を見いだすことはできない。たった42名のアーティストの作品でグランパレという会場を埋めるためには、それぞれの作品が巨大でなければいけなかったということだろうか。どの作家もこの機会に大きな作品の制作に挑んだようだ。しかしそれでもまだ、場所の問題か作品の問題か、それともこのトリエンナーレ自体のコンセプトの欠如の問題か、展覧会自体の空虚感は拭えない。それ自体としては非常に美しい「白い地質」も、それぞれのアーティストたちが自分の世界にだけ籠ってしまうことのできるホワイトキューブを作り上げてしまう結果となり、「全ての作品は「アートの力」という一つの展覧会を織りなす一部である」という概念をすっかり忘れさせ、まるでパリの白い壁に覆われたギャラリー巡りをしているような感覚さえ与えてしまう。
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