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東信

PEOPLEText: Mariko Takei

東信
「hand base」AMPP Vol.22

アーティスト活動される中で、清澄白河にご自身のプライベートギャラリーAMPGを2年間の期間限定で立ち上げましたよね。AMPGのスタートのきっかけを教えてください。

僕は植物を作品に使いますが、まずそれを受け入れてくれるギャラリーが無かったのです。いろんな問題が山積みで、植物を使うというのは、やはり嫌われるのです。そのため、今までギャラリーや展示スペースで植物を使って個展をするというのが成立しなかったのだと思います。それだったら、自分でやればいいじゃん、というところからAMPGはスタートしました。今でこそ、植物を扱ってくれるギャラリーはありますが。AMPGをやった2年間でそういうギャラリーのあり方を証明できたかと思います。

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AMPP

難しい状況があったからこそ生まれたAMPGですが、2年間という期間にこれまで月1回のペースで計24回作品を発表されてますね。とても勢いあるなと思います。

そうですね。結構タフに物事に取り組むのが好きです。それと、芸術という一つの作品を発表する為に、箱を借りて作品を作ってるだけ、としか見られかねないのが嫌で。それで、やるからには、2年間くらいはやらないと人を説得できるようなものはできない気がしていたので、2年間に計24回展覧会を行って、どういうことができるかを実践してきました。そこでは、作品集AMPPも毎回作り、各展示のインスタレーションを来場者の方に持って帰ってもらおうというコンセプトのもと、自分たちで内容を考えながら制作しました。

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「Botanical Sculpture #2 holding」個展「AMPG vol.25」三菱地所アルティアム, 福岡, 2009

現在、これまでAMPGで発表した全作品を展示する個展「AMPG vol.25」が、東さんの地元でもある福岡の三菱地所アルティアムで開催されてますね。「AMPG vol.25」では第4期に分けて過去作品から新作までを発表されるそうですが、その4期目となった最新作「記憶の植物 0-21 Fukuma」について教えて頂けますか?

三菱地所アルティアムでの展覧会は今回2回目となります。地元での開催ですが、僕はあまり地元愛といったものがありません。東京でも、福岡でも、ニューヨークでも、ロンドンでも、どこでも特別な感情は抱かないのですが、今回声を掛けて頂いて、せっかく地元で行うのであれば、記憶をテーマにした作品を作りたいなと。例えば、音楽だとこの曲聴くと、昔別れた彼女のこと思い出すとか、この匂い嗅いだら、小学校の時の花火大会を思い出すとか、というようなことがあると思うのですが、多くの人には、そういう記憶がインプットされてると思うのです。しかし、「この花みたらどうか」ということでは、具体的な感情を起こすことは、なかなかなくて、今回それを表現したいなと思い、やってみました。地元に帰っていろんな人と話して、地元のメシ食って、地元で寝泊まりして、過去の記憶をロードムービー的に映像で追うわけです。その中で最後に僕が作品を作るという、その過程を追った映像も上映しています。

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