W+K 東京LAB「TOKYO.点」
THINGSText: Vicente Gutierrez
WKTLABはアーティストのラインナップもユニークですが、レーベルとしてのプレゼンテーションの仕方についてもう少し詳しく教えていただけますか?
そうですね、WKTLABの音楽の発信の仕方は他のレーベルと大きく違います。聴くためのCDだけにフォーカスするのではなく、全てのリリースに対してDVDを付け、通常普通のレーベルでは、過去にリリースされた既存のミュージックビデオやライブ映像などをコンパイルするところを、映像作品も全てゼロから制作します。僕達がやってきているのは、新しいオーディオ・ビジュアル「体験」を創ること。そして、それをCD+DVDというハイブリッドなフォーマットに収録して、クオリティの高いパッケージや、マイクロサイトなど他の要素と一緒に発信すること。
この流動的な業界で、CDだけには頼れません。WKTLABは、このアプローチによって、オーディエンスと音楽の関係性を変化させようとしているともいえます。僕達にとって大事なのは、良い音楽、そしてフレッシュなビジュアルと革新的なアイディア。契約の可能性のあるアーティストを見る際には、様々な角度から判断します。オリジナリティや、国際的なアピール度など、基準は沢山ありますが、一番大事なのはWKTLABのコンセプト「ハイブリッド」に対する高い感性を持っているかどうか、それが全てです。
WKTLAB’s Takagi Masakatsu.
例えばどのようなアーティストがいますか?
高木正勝は、キャリアをスタートして以来、エレクトロニック・ミュージックと現代アートの両方のシーンで活躍してきています。素晴らしいミュージシャンであり、最高の映像作家です。高木の表現には、音楽と映像という二つの要素が、見事に融合されていて、その全ての制作工程を彼自身が一人で手がけています。
ハイファナもまた良い例です。アナログとデジタル、音楽とビジュアル、伝統的な日本と最新の日本の要素などを、世界中の誰もやっていない非常に独創的な方法でミックスしています。
鎮座ドープネスは、今年契約した新しいMCアーティストです。彼のクリエイティビティは、ロック、ブルース、ヒップホップ、レゲエの見事なミックスです。
The freshest addition to WKTLAB, Chinza Dopeness! © Mark Oxley
鎮座ドープネス、かっこいいです。実際彼とはどのように出会って、アプローチしたのですか?
オフィススタッフの一人が、渋谷のシスコレコード前で、他のラッパー達と一緒にフリースタイルでラップをしている彼のビデオを見せてくれたんです。そのサイファー(路上でのフリースタイル)にいたラッパー達の中で、鎮座は、ずば抜けた存在感を放っていました。とにかく何か特別なものを感じたので、本人にアプローチし、話を始めました。
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