アウグスト・コスタンゾ

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

ご自身をどう位置づけますか?

自身の位置づけについては、気にしていません。主流とインディーの中間にいて、僕のことをとてもモダンだと感じる人もいれば、完璧にクラシックと信じている人もいますし、その感じが気に入っています。

アウグスト・コスタンゾ

最近ブエノスアイレスのインディー・ミュージック・フェスティバル「シウダッド・エマージェンテ」のアートを手がけたそうですが、それについて教えて下さい。

僕が「シウダッド・エマージェンテ」のためにしたことは、インディーミュージックやストリートアート・カルチャーの激情や憂うつに対する僕の解釈の表現です。これまでにアルバムのアートワークもいくつか手がけていましたし、楽しい挑戦と思って参加しました。
例えば、90年代には50年代の要素が復活しました。ある種の安らぎや、人生を楽しむ人々などです。 イラストはその時に、重要になりました。しかし2000年になると世界はまた異う場所になり、全てが再び緊張をはらみます。それに伴い、ストリートアートがポピュラーで重要なものになりました。ストリートアートの美学は、ある種の悪態であり、彼らが子供の頃にテレビで見たものへの応答です。何か怒り狂ったものに変えられた、幼年期の要素の混合です。

アウグスト・コスタンゾ

スペインでの経験について聞かせて下さい。

スペインは2001年に旅し、人々との素晴らしい出会いを経験しました。彼らは僕に対してとてもオープンで、すぐにいくつかの新聞や雑誌の仕事を始められたのです。『町とは、そこで出会った人々のこと』と信じていますが、僕はそこで本当に素晴らしい人々と出会いました。

アウグスト・コスタンゾ

作品を通して、一番良かったと思うことは何ですか?

僕は、愛されたくてこの活動をしています。地元の雑誌や新聞でも継続的な仕事はありませんが、僕のしていることを知って付いてきてくれる人が数人いて、それは素晴らしいことです。
また、偉大なミュージシャン、ダニエル・メレロの「オーディオビジュアル・ディスラーニング」に関する授業を受けたのも、とても大きな体験でした。キャリアに何か変化や分岐を必要としていた僕は、それを見つけました。この授業は5年間続き、地元の危機の間や現在でも、僕にとっての避難所となりました。本当に受けて良かったです。

アウグスト・コスタンゾ

この先のプロジェクトについても考えているのですよね?

もちろん、本も出版したいと思っていますし、誇りに思えるような展覧会にも出展したいです。僕のキャリアは易しいものではありませんが、僕は完全なファイターであり、納得するまで考えにこだわります。自分や自分の作品に対してとても批判的で、僕自身が僕の最初の批評家です。

彼は、イラスト作品に囲まれながら話を続けた。私は、描く人を見ているのが大好きだった幼い自分を思いだす。とても幸せな場所だった。彼の作品がそれぞれのパワーを持って、ここまでに意味を持つ理由であるに違いない。
コスタンゾは、生きたユニバースを作ってきた。それは、その力に動かされる息づいた生き物と言えよう。創造、アート、想像、カラー、ペンシル、キャラクター、生活の断片。キャラクター達は、紙に向かったペンシルの音に合わせて動く。内にも外にもマジカルでミステリアスなユニバースをつくり出す、日常の小さなバトルだ。

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Yurie Hatano

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