中国メディアアート展 2008

HAPPENINGText: Yoshihisa Abe

SYNTHETICTIMES 媒体中国 2008

6月9日の午後5時から始まった開幕式には500名を超える人たちが集まりとても盛大だった。来場者の顔ぶれも国際色豊かで、アメリカ、イギリス、オーストリア、オランダ、カナダ、スイス、ドイツ、韓国、日本などからアーティストや、キュレイター、リサーチャー、メディアアートセンターやフェスティバルのディレクターたちが大勢出席していた。式典は中国らしく挨拶が延々と続き、欧米からのゲストたちは少しくたびれている様子も。内覧会を挟んで映像展示を行うサテライト会場でのレセプション、夕食会とつづき全てのプログラムが終わったのは10時半をまわっていた。

SYNTHETICTIMES 媒体中国 2008

中国美術館での展示は、屋内4500平米と屋外2000平米の非常に大きなスペースを使っている。屋内会場だけでも国立新美術館でのメディア芸術祭の展示スペースの2倍以上にもなる。世界29ヶ国からのアーティストの作品が「身体を超えて」「感情的なデジタル」「組み換え型リアリティ」「ここでも、そこでも、どこでも」の4つのテーマに沿って展示されているが、作品ごとに割り当てられているスペースも広く、また作品の持つ世界観を丁寧に見せようとしていて非常に好感が持てるものであった。

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展示作品は40点余り、アルス・エレクトロニカをはじめとする欧米の有力なメディアアートフェスティバルで、この数年話題になった作品も多く含まれている。印象としては6~7割ぐらいがそのような作品であろうか。あまり難解な作品は少なく体感的な理解しやすい作品が多く選ばれていた。世界レベルでの選りすぐりのメディアアート作品がずらりと並ぶのだから面白くないわけがない。日本だけでなく欧米でもなかなかこれだけの作品が揃うことは少ないのではないか。

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