ザ・ウィップ

PEOPLEText: Yasuharu Motomiya

マンチェスターは、バンドスタイルのダンスミュージックが盛んなのではないかと思ったのですが、そうではなくなっていたということなんでしょうか?

ダン:はい、もちろんマンチェスターは長い間そのような音楽を作りだしてきていて、ニューオーダーの時代でさえ、彼らもキーボードを使っていたバンドだし、過去にそのような音楽は作り出されていて、成功しています。

ブルース:つまり、キーボードを使うバンドはいっぱいいて、そのバンドがダンスミュージックをやっているかどうかで、キーボードを使っているかどうかが問題というわけではないのです。

ダン:ライブバンドなのにダンスミュージックを作っているような感じです。

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確かに最近のダンスミュージックは、一人の人間がラップトップコンピューターを使用してライブパフォーマンスすることが多くなっていますしね。

ダン:僕達の間でも、そういう話をしていたのですが、(ラップトップを使った音楽のように)一人でそれ全てを行ってしまうよりは、僕達は演奏するときに踊ったり動きまわったりするのが好きだし、ライブバンドを観に行くのは、ステージでその音楽が演奏されているのが直に見ることができるということだと。

フィオーナ:そうすることで、もっと自然なエネルギッシュな感じがあると思うし、もしそれがただラップトップからだけだったら、単調な感じで、そういうエネルギッシュな感じは出ないと思うんです。

ダン:それから、ライブバンドだと、観客と話したりふれあったりして、観客の反応を見ることもできるけど、ラップトップだけなら、それだけになってしまいます。

ファットボーイスリムのレーベルからリリースした経緯は?

ブルース:レーベルの方から連絡がありました。

ダン:僕らがシングル「Muzzle no.1」をリリースしようと思っていた時、マネージャーは色々な人にアプローチして断られたりもしていたので、もっと小さなレーベルにしようということになり、ファットボーイスリムのレーベルにあたってみました。すると彼らはすごく僕達のやっていることに興味を持ち、アルバムのリリースを考える程気に入ってくれて、結局シングルをリリースしました。そこで、アルバムも作る事になり、一緒に仕事しているみんなもすごくやりやすくて、最高です。小さなチームだけど、とってもみんなやる気があります。

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日本ではなかなかそういうことは少ないですね。まだ売れていないバンドにマネージャーがついて独立するのは珍しいと思うのですが、それは一般的なことなのですか?

ダン:イギリスではそうですね。まだレーベルと契約もしていないのに、既に色々なことが始まっていたり、バンドに人がついたり、変な感じですね。バンドとしてスタートする時に、一番最初に連絡があったのが、弁護士でした。デイブが業界で連絡をとった色々な人たちとのことで、法的な面でサポートしてくれたのが、彼でした。そんな感じで、契約する前にすでに色々な役割を持った人たちがバンドについていたのです。

フィオーナ:知り合いのバンドの多くは、バンドを組んだ時にすぐ、自分達の友達を入れてマネージャーにしたりしています。でも私達はそうはせず、待ちました。

ネイサン:僕らはひどいマネージャーを見てきたし、ひどいというか、要するに、マネージメントがどういう風になされているのかが分かるようにはなっていました。

フィオーナ:友達がマネージャーだと、レーベルと契約したり色んなことが最終的に始まって動き出した時に、どうしていいかわからないし、適した人を入れないと、大変なことになります。だから、適した人を捜すためには時間をかけることが重要だということは分かっていました。

フィオーナ:契約を交わしたり、それを的確に行うのが、マネージャーの重要な仕事ですよね。

ネイサン:多くのレコード会社は、バンドのビジネス側も管理したいものです。イギリスのバンドは大抵、ギグをして飲みにいくことばっかりで、実際のビジネスに関しては、一緒になってバーで飲んだくれている人より、きちんと管理できる人に任せておきたいと思っています。

ダン:マネージャーがいれば、いた方が良いかもしれないけど、最初僕らはできる事は自分達でやっていたんです。でもそのうち、曲作りしている時間より、メールをしている時間が長くなり、自分達で管理しきれない程になってしまって、もう限界でした。

マネージャーを通してファットボーイスリムのレーベルからCDをリリースしたそうですが、キツネレーベルは、MySpaceを通してリリースしたのですよね?直接コンタクトをとって話を進めるのも可能ということなのでしょうか?

フィオーナ:直接連絡してくる人もいますし、レーベルを通してくる人もいますし、マネージャーを通してくる人もいます。誰かが話を持ってきた場合は必ずマネージャー、レーベル、もしくは他のバンドメンバーに話をします。コミュニケーションはすごく良くとれているので、どちらにしても結果は同じです。

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この中で誰がMySpaceを担当しているんですか?

フィオーナ:ブルースは、MySpaceの虜です。彼がコンピューターしているところを見かけたら必ずと言っていい程MySpaceを見ています。

ブルース:ファンとコミュニケーションをとるのはいい事だし、どんな曲が好きかとかバンドのどんなところが好きなのかなど、反応が聞けるというのも良いし、バンドを続ける上でとても良いと思います。そういえば、日本のファンとも連絡をとっていて、昨日もMySpaceで出会った友達と飲みに行きました。

ブルース:MySpaceで出会ったその友達の「イチ、ニー、サン、シー」と言っているのが僕らの曲に入っているんです。

ダン:そう、アルバムにも入っています。ロンドンのスタジオに彼女が遊びにきて、彼女がいる間にマイクでそれを入れてもらって、ネットで送ってもらいました。彼女もバンドをやっているので、ギグをしにロンドンに来た時です。

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