ザ・ウィップ
PEOPLEText: Yasuharu Motomiya
サウザン・フライド/a>、キツネなどの注目レーベルからリリースするマンチェスターのエレクトロ・バンド、The Whip(ザ・ウィップ)が、代官山ユニットで昨年末にライブを行った。半クラブ形式のライブイベントでは、キツネレーベルの、ジルダとマサヤをDJに迎えるなど、彼らにゆかりのあるアーティストも共演し会場を埋めた人々を楽しませた。
2007年のフジロックフェスティバルに続き、今回で日本に来るのは2度目となるザ・ウィップのメンバー、ダニー・サヴィル(キーボード)、フィオーナ・ダニエル(ドラム)、ネイサン・サダース(ベース)、ブルース・カーター(ボーカル)に、3月リリースされる予定のアルバムについての話を中心にインタビューを行った。
ザ・ウィップを結成に至った、いきさつを教えてください。
ネーサン:ブルースとダニーがナイロン・パイロンというバンドにいて、そのバンドを通して友達になったのですが、それからよく一緒に遊んでいました。その後バンドは解散したのですが、曲を一緒に作ったりしていました。
ダン:イギリスのパブの貯蔵庫で。
ネーサン:そう、色んなものが住み着いている貯蔵庫で… それで、曲を書き続け、曲がたまった時にギグとかライブとかをやろうと思って、その時に僕とフィオーナがバンドに入りました。
なぜ解散したのに続けたのですか?
ダン:それは、僕らのやりたいことだからです。曲を作るのは好きだし、音楽作るのに、一緒にやりやすいし。バンドがうまくいかずに解散したからといって、曲作りを止める理由にはならないし、曲を書くということが僕らのすべき事だからです。
ブルース:僕ら二人になるまで続けていて、あとのバンドは自然消滅しました。
ダン:そう、だから、それはその時すべきと思った事だからしたし、いずれはまたやろうと思った時にやるだろうと考えてました。
ナイロンパイロンは二人だけではなく他にもメンバーがいたのですか?
ダン:ナイロン・パイロンには4人いて、他の二人は別の事をしたり、色んな音楽をやったり、普通に就職するなど、自分達の道に進みました。
音楽のスタイルは今と同じようなものだったのでしょうか?
ブルース:今と結構近いです。今のバンドは、やりたいことに率直で、シンプルでまっすぐですが、前のバンドは、何というか、みんながみんなそれぞれの意見を持っていて、バラバラでした。
ダン:4人それぞれが違うアイディアを持っていて、それをそれぞれアルバムに載せようとしていたり、他にアルバム制作に関わった人たちもいたりして…
ブルース:全然まとまりがなかった。
ダン:それぞれ意見や見解、曲についても大きく違っていたので・・・強調すべき部分だけ強調した感じで、みんながキーボードを使って、バンドの4人全員ががダンス系音楽をやっていたので、そこからそういう面を続けていった感じです。
二人(フィーとネイサン)が入って大きく変わったということですか?
ブルース:いえ、そういう訳ではなく、もっと実際の曲作りに影響がありました。前のバンドでは、ドラムがもっと複雑な音を出していたので、今度はもっとシンプルなビートで、余計な飾り部分は取り除かれた感じになりました。
ダン:僕らは単に全てをもっとシンプルにしたかったのです。アイディアが色々多すぎました。僕とブルースは自分達のやり方で仕事していたので、やりやすかったです。
ブルース:その頃はリスナーも、キーボードとギターが同時に使われている音楽が分かりませんでした。まだリスナーには早かったんじゃないかと思います。未だに分かってくれていないかもしれないですが、でもだんだん分かってくれるようにはなってきていると思います。
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