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デイドリーム・ネイション

PEOPLEText: Waiming

兄弟や姉妹、ファッションと演劇、小説と記憶、キャットウォークと物語、声と静寂、現実と想像、夢と白昼夢、そして喪失と発見の間にあるような私達の興味をそそらずにいられないコラボレーション、それがデイドリーム・ネイションである。

考えてみよう、それは私達がこれから向かっていくものではないだろうか?なぜ私達は幾度も幾度も気づかされているのだろう?私達自身、十分に順応させていないのだろうか?自身を否定しすぎてはいないだろうか?何かに変えられてはまた、再び何かに変化しているのだろうか? 私達は… 私達は… 

いや、もしかして、おそらくこれがケイとジンの二人が成し遂げたいものではないだろうか?古いクローゼットから僕らを連れ出し…。何にもとらわれずに考える。自由に発言する。自分自身でいることにインスパイアされる。そして、彼らの作品に浸るのだ。

デイドリーム・ネイション

今シーズン「Good Morning, I’m Sleeping is Spring/Summer 2008」の背景を聞かせてください。

ある朝、シーツに穴が開いているのを見つけたことから、このコンセプトが浮かびました。捨てる前に、よく子供がやるようなヒーローの格好のようにシーツを肩にかけてみたんです。そして同じシーツでも違う扱い方によって、こんなにも美しい装飾ができることを発見したのです。ケイにその写真を送ったところ、彼女はこれがシーズンのテーマになると確信してくれました。そして仕事にいくためのコーヒーカップと目覚まし時計のような辛い現実から逃れ、主人公がベッドで夢を永遠に見続けるようなストーリーをまとめはじめました。ここでいう「Dreaming」とは、人生における個人の信念と向上心のメタファーであり、そして何か起ころうと動じないでいられることを表現しています。

デイドリーム・ネイション

2008年の秋冬コレクションに向けてのプランを教えてください。

秋冬のコレクションは、春夏のコレクションとはとても対象的です。「Good Night Deer」というテーマで、不吉な予感がするようなダークなイメージです。「Good Night Deer」では、自身が殺した鹿に呪われているハンターについての物語で、最後には彼が鹿に変わってしまい、逆に捕らわれる身になってしまうというストーリー。今シーズンは特に物語の要素を強く打ち出していて、洋服とアクセサリーもストーリーのいろいろな部分に強く結びついています。例えば、首に突き刺さるような形のアクセサリーなど。もちろん本物ではないので安心を。

なぜ「デイドリーム・ネイション」とつけたのですか?何か背景があるのでしょうか?

恐らくソニック・ユースのファンなら誰でも知っていると思うけれど、これは彼らの最高のアルバムのひとつのタイトルと同じなのです。しかし実際のところは私の大好きな監督、フェリム・マクダーモットがこうコメントしたことがありました。『社会は空想家に対して確実に差別意識がある』と。この言葉が頭から離れませんでした。ロンドンから香港に戻ってきて、ケイと僕はさらにそのことを強く感じています。少しでも主流から外れ、普通じゃなく振舞えば君は人々から変な目で見られ悪い批評を受けるでしょう。私達は、デイドリーム・ネイションを通して馬鹿げた考えを持った人々が境界線なく共感できるような、安全な天国のような場所を作れたらいいと思っています。そしてその馬鹿げた行動から想像力が生まれ、いつの日か社会がその想像力の重要性を尊重できればいいなと。

発展性の点において、物語とデザインのどちらが先にくるのでしょう?

私達には特に決まった方法はありません。先ほど言ったように、春夏のテーマはシーツの穴からきたものです。今シーズンの「Good Night Deer」は僕が恐ろしい物語を作り上げ、その絵からインスパイアされたものです。傾向としては、実際服を作る前にコンセプトやストーリーが最初にくることがきっと多いと思います。かといって逆の順番にならないというわけではないですが。ある午後に、もしコーヒーを服の飾りなどにこぼしてしまったとしたら、それを意図的にこぼしたように見せるようもっとこぼしてしまいたくなると思います。こういうようなことからコンセプトは生まれていくのです。そしてそこからはどこへでも自由に進むことができるんです。

その下側には依存が隠れていたりはしないのですか?変わりやすいものにこそ、それ自身の抑制の中での独立ができるのでしょうか。その二つの間には何か逆の魅力や矛盾があるのでしょうか?

ストーリー性とデザインの事についてですか?ああ、その間には確実に奇妙なテンションがあると思います。時に、ストーリーなしでは服が成り立たなかったり、逆にストーリーが成り立つために服が助けてくれたり…ということがあって。それは男と女のようで、おおざっぱに言うと恋人間のテンションのよう。愛が先かセックスが先か?愛が先という人々もいれば、その逆の人々もいる…。

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