ニコラス・クラウズ

PEOPLEText: Sarah Boisson

多くのニコラスのプロジェクトはインターネット上で見ることができる。作品のいくつかが後に展示物として企画されるのも、美術館関係者がインターネットを見て展示をしたいと思ってくれるのがほとんどなので、彼は最初にネットで作品を紹介するということを大事にしている。


L’Ardoise © Quentin Groosman

目を輝かせながらニコラスは前回のプロジェクト「L’Ardoise(記録)」についてアニメーションを使いながら話してくれた。『いま南フランスに住んでいるアーティストを注目しているんだ。その人は南フランスに住居をかまえ、11歳から15歳の300人の子供達と一緒に作品制作しているんだよ。その描かれた200をもの作品を僕がインターネットプロジェクトで使わせてもらったんだ。』これらの絵は一色または二色の墨汁しか使わない。『このアートプロジェクト全体の一番重要な部分を理解したかったし、また子供達の反応を強調したかったんだ。「Ici et maintenant, enfer ou paradis(ここで今、天国か地獄か)」。“記録”はフランス語で“恩義”という意味もあるんだよ。これは僕たちが子供たちへ残すものだよね。』

最後の展示会は2006年4月にベジエで開催され、訪れた人は私たちの世界観、子供たちのメッセージに触れることができた。

彼は型にはまったアーティストではないことは確かなので、最後に私はニコラスに何に一番影響されたか聞くと、ミシェル・ポルタル、イヴ・ローベルやスティーブ・ライシュのような時代の先端を行っているミュージシャン達や、かたや旅先で出会った韓国や日本の古典的な音楽がほとんどのインスピレーション源になっていると説明してくれた。

ニコラスはタピエス、ラッセンバーグ、デブッフェのような絵描きやアーティストと時々息抜きをしている。またドゥ・ゼンジュやハン・ホーゲルブルゲらのデジタルアーティストもニコラスに注目されているのも確かだ。

私はパリから一時間弱のカントリーサイドにあるニコラスの家で2時間以上過ごし、彼がこのような素敵な環境のもとで活動していることを知れたのは大きな収穫だった。今後も彼の活動から目が離すことはできない。

Text: Sarah Boisson
Translation: Chiyoko Jimba

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