エルヴィン・ヴァーゲンホーファー「WE FEED THE WORLD(ありあまるごちそう)」
HAPPENINGText: Christina Merl
『どうしてフードなのかって、これは僕達にとても密接で、毎日食べるものだからね。』と、オーストリア人映画監督のエルヴィン・ヴァーゲンホーファーは、彼の最新のドキュメンタリー映画「We Feed the World」(ありあまるごちそう)のテーマを聞かれ、そう答えた。
エルヴィン・ヴァーゲンホーファーは、オーストリアのアムシュテッテンに生まれ、ウィーン工科大学に学ぶ。アシスタントディレクター、アシスタントカメラマン、脚本家、映画監督等、多彩に仕事を行い、ドナウ大学クレムス校とウィーン応用芸術大学で講師を務めている。ドキュメンタリーや、オーストリア放送、バイエルン放送の番組、CM、ショートフィルムの作品がある。
ブルターニュの漁師が日々仕事に出かける海へ、一緒に連れて行ってくれた。彼は自分の生計を脅かす産業的漁業に警笛を鳴らし、『自然の精繊をなめてかかっちゃいかんよ。』と言った。港に戻ると、鮮魚店の主人が、その小舟で釣ってきた新鮮な魚と、漁獲用トロール船で揚げて市場に出す魚の品質の差を見せてくれた。『ただ売るためだけに捕ってきた魚だよ。』彼はそんな風に、営利目的の漁業のことを言ってみせた。
ヴァーゲンホーファーは最新のドキュメンタリー「We Feed the World」の中で、食糧生産について、その拡大化や商業化の影響について批判的な見方をとっている。「Fast Food Nation」(ファストフードが世界を食いつくす)のベストセラーに引き続いて、スローフードという新しい動向が出てきた事で、国際的な拡大路線を進んできたフードビジネスは精査され、軽視される対象となっているのだ。
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