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マイ・モレスキン・プロジェクト

HAPPENINGText: Samantha Culp

それは単なる小さなブラック・ノートにすぎなかった。しかし、その小さなポケットサイズ、昔ながらのゴム紐や高名な歴史から、モレスキンはブラック・ノートのちょっとした純正な典型モデルになりつつある。フィンセント・ファン・ゴッホがスケッチに使い、アーネスト・ヘミングウェイが散文に使い、ブルース・チャトウィンが旅行記に使い、2世紀近くに渡ってモレスキン・ノートは、創造者達に愛されてきた。

この伝統を絶やさないためにも、香港ベースのデザインスタジオ、ワーキング・ユニットが最近になって、ページ・ワン・ブックショップとイースト・タッチ・マガジンとのコラボレーションで、マイ・モレスキン・プロジェクトを開催した。2004年の秋を始めとして、香港またその他地域から30人以上の創造者達が、モレスキンに何でも好きなものを書き、2005年春までにノートをワーキング・ユニットに返すというこのプロジェクトに招かれた。

4月30日、新しく改装されたコーズウェイ・ベイのページ・ワン・ブックショップで、このプロジェクトの全貌を見れる展示会が開催された。ノート一つ一つが透明のプラスティック・ボックスに入れられていたが、閲覧者がページをめくって中を見れるようにプラスティックボックスの真ん中には一部穴が開けられていた。(作品に傷がつかないように閲覧者は手袋をはめなければならない。)

地元インディー・ロックスターのアンソニー・ウォング・イウミングを特別ゲストとして招いたオープニング・セレモニーの後、早くも閲覧者でいっぱいの通路は種種多様にずらりと並んだモレスキンを今にもごった返す勢いだった。

香港以外にもシンガポール、スウェーデン、日本と世界中から参加者達が集ってきたように、彼らのバックグラウンドもライター、画家、グラフィックデザイナー、ミュージシャン、写真家、建築家と様々で、彼らのノートもまた一つ一つが独特なスタイルと内容を持っていた。

コミックアーティストのチ・ホイのキュートな描画から、イラストレーター、タクによる東南アジアの新聞コラージュまでと、個々のビジョンの幅は同じ小さなブラック・ノートから生まれたのである。何人かの寄稿者は自身のブラック・ノートをバラバラに分解しカスタマイズしていた。その中で一つ目に残ったものがある。「モレスキン・ターンド・ミュージックボックス」と名付けられた、クランクホイールとパンチホールの開いた一切れの紙でできたオルゴールも展示されていた。(残念ながら、そのオルゴールは実際には動かなかった。)

「マイ・モレスキン」展を開催した、ワーキング・ユニットのアーナウルト・キャステルは、今回のプロジェクトは完成された作品というよりも、その製作過程により重点が置かれていると話してくれた。それぞれのクリエイターのノートのページをゆっくりとめくっていくと、閲覧者達は個々の創造性の本質を発見することができる。ページ一枚一枚の中でアイディアが創り上げられていくのを見ることができるのだ。

My Moleskine Project
会期:2005年4月30日(土)〜6月5日(日)
会場:Page One Bookshop
住所:9F Times Square, Causeway Bay, Hong Kong
https://www.moleskine.com

Text: Samantha Culp
Translation: Fumika Sugimoto
Photos: Samantha Culp

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