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OFFFフェスティバル 2004

HAPPENINGText: Jose Luis de Vicente

昨年のOFFFの音楽プログラムは、プレゼンテーションやトークショーでの大物アーティストが目立ってしまったため、ややそのインパクトに欠けていたが、今年の「ルーピタ」(音楽の会場)は非常に興味深いものとなった。OFFFとしては、ここでビッグネームをフィーチャーしたのは初めてだ。

参加アーティストは、現在パリで活動する日本人女性シンガー、ツジコノリコ。彼女はディスコムのリオネル・フェルナンデスとのコラボレーションで、つい最近リリースしたばかりのCDからの曲を披露した。フェルナンデスの激しく鳴り響くノイズとツジコの優しく柔らかい声。しかし、スピーカーから発せられる激しいノイズに遮られ、彼女の声が聞こえないところも多かった。


Noriko Tujiko

ディスコムとしてのみでのパフォーマンスもあり、その他にも、ケネス・キルシュナーのようなラップトップ・マスターや、アコースティックとエレクトロニックな音を操り、従来のバンドスタイルを打ち破るグループ・THILGUES 3などが登場。さらにルーピタでは、主にウェブで活動するデジタルアーティストやデザイナーによるショーも展開された。

C505として活動するヨシ・ソデオカは、彼のライブプロジェクト「THE KNOBS」をショーン・ルーニーとのコラボレーションで、またスペインのアート集団・イノスナはうっとりするようなオーディオビジュアル・パフォーマンス「INSONNIK」を見せてくれた。「INSONNIK」は、オーディオビジュアルの楽器としてデザインしたビデオゲームを使い、自分の代わりとなる3D映像を動かすことによって、スクリーン上で音と動きのパターンを作りだすことのできるものだ。


The Vegetable Orchestra

ルーピタのなかで、いやもしかしたらフェスティバル全体で最も目立っていたのは、オーストリアのベジタブル・オーケストラだろう。この奇妙で刺激的な音楽パフォーマンスにかけられた期待は高く、会場はパフォーマンスが始まる前にいっぱいになり、外まで人が溢れていた。

ベジタブル・オーケストラは、まさにその名のとおりで、10人のミュージシャンが、その日の朝に市場で手に入れた新鮮な野菜から作った楽器で演奏し、音を出すために野菜のスープを調理したりもする。そのスープは、オーディエンスがショーの最後に味見することもできる。彼らのステージは確かに驚くべきもので、メロンのドラムや人参のフルートで音楽を奏でる様子は非常に興味深いのだが、数分聞いているとすぐに飽きてしまうというのも否めない。アイディアは面白いのだが演奏される “音楽” はやはり音楽とは呼べないものであった。

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