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森本晃司

PEOPLEText: Naoko Fukushi

今月、7月15日からは、SHOP33の新店舗のオープンと同時に個展を開催されるそうですね。どのような内容になるのでしょうか?初日に行われるオープニングパーティーでは、どのようなことをするのですか?

DJのQ’HEY君とCDを作ったり、SHOP33とユニットを組んで「大吉/大凶」というモチーフでいろいろな遊びをしてます。みんなにも馴染みの深い言葉の「大吉/大凶」のイメージを全く新しい解釈でビジュアル化しました。初の画集になる『Oレンジ』もちょうどこの日発売なので、オープニングパーティで居合わせた人にはサインしようかな(笑)。


© Koji Morimoto

「Oレンジ」ではこれまで描きためた500点以上の作品を集めたものということですが、今、この作品集を出すきっかけのようなものはあったのですか?

きっかけとしてはまず “区切り” ですね。“44歳の別れ” みたいな(笑)。あと自分のスケッチブックを “この時、自分は何を考えてたのかな” ってよく見返すんですよ。それが新しいアイディアになったりするんだけど、そのスケッチがあちこちばらばらになっていたので本になったら見やすいなと。そういう意味では自分のために作ったっていうのが一番ですね(笑)。

でも今後沢山作品を作っていく中で、本の中からキャラクターが出てきて動き出すっていうのが沢山あると思うんで、アイディアノートをみんなで共有するみたいな感じでみんなにもその辺を楽しんでもらえればなと思ってます。名前がついてないキャラクターもフィルムの中に入ったらきっと素敵な名前がつくと思うんでお楽しみに。

今回のカバーデザインのコンセプトを教えてください。

好きです。愛です。Hのあとです。

「AKIRA」をはじめ、これまでに数多くの素晴らしい作品を手掛けられてきたわけですが、これから目指したいこと、新しく挑戦してみたいことなどありますか?

5次元みたいな作品を作りたいですね。5次元って誤った解釈の次元なんですよ。これからマンガも描こうと思ってるんだけどタイトルは「誤次元」にしようと思ってます。

今年は、日本のアニメ界の巨匠達の作品が続々と発表されていますね。日本のアニメは、他の国では例を見ないその独自性で世界から注目され、コミックや、テレビ、映画が海外で高く評価されていますが、日本のアニメについてどうお考えですか?これからどうなっていくと思われますか?

世界的に注目されたことで、いろんな国の人たちが入ってきて人材やいろいろなことが変わっていくとまた面白くなっていくと思います。

アニメ業界に関してはなるべく交通整理が行われないような媒体であって欲しいんですよ。もともと好き勝手できる媒体なのに流行っちゃったからといって、例えば国や大きな資本が入ってきて交通整理を始めてしまうと途端につまんない分野になってしまう。モラルとか倫理観とかうるさく言われ始めたら、自由に作品が撮れないとか遊べないってことになるんですよ。本来子供的な意識のものなので、大人的なものをあんまり持ち込まないでほしい。そういう意味でずっと無法地帯であって欲しいんです。無法地帯だともちろんつまんない作品もあればいい作品もあるけれども、とにかく数が多いっていうのが魅力だと思うんですよね。その中から面白いものや新しいものって生まれてくるわけだから。

個人的なことでは、ディズニーなんかもセルアニメーションをやめて全部コンピューターにシフトしたりしてるけど、それはつまらないなと思ってるので、みんながどう変わっても自分はやっぱり手で描いて2次元的なものを動かしていきたいと思ってます。

最後に、シフト読者へメッセージをお願いします。

いいセックスしてください(笑)。人を気持ちよくできれば世界は変わる。あとは画集「Oレンジ」を買ってください!面白い世界を共有しましょう。

森本晃司画集「Oレンジ」発売記念展覧会
「大吉ハイ!大凶デス!」

会期:2004年7月16日(金)〜8月31日(火)
時間:12:00〜21:00(不定休)
会場:SHOP33 吉祥寺店
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-22-5 1F
TEL:0422-28-7515
https://www.shop33.com

Text: Naoko Fukushi

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