青年探検プログラム「POW WOW」
さあ、「POW WOW」しよう。
POW WOW(パウワウ)とは、話し合いをするという意味。腰を落ち着けてディスカッションをし、考えをめぐらし、分析して評価をする。これが、YEP(Youth Expedition Programs)、つまり青年探検プログラム。若い人達に、冒険とは何かということをフェアを通じて考えてもらうことを目的とした、過去、現在、未来を考える場だ。明日も見えないような若者達に、彼らの生きる道を導くため、高く羽ばたいてもらうため、教科書からは、学べないことを学ぶために。
社会の仕組みが公式化され、人類の存在が科学で証明されてしまう。そんな現代では、人々は、受け入れられるものと、受け入れられないものの間に立ち、自分は操られているのかもしれない、と思う事があるかもしれない。終わることのない葛藤がそこにある。
しかし、どのくらい自分自身に立ち向かう強さやチャンスがあるだろうか?大抵は、この公式にとらわれてしまう。シンガポールでは、何不自由のない生活に守られ、自分を模索するという機会は、なかなか少ない。そんな中、様々な経験を通じて、自分を成長させようという目的のもと設立されたのが、シンガポール財団だ。YEPというプログラムでは、若者が、自分自身にではなく、他国への社会貢献を通じて、自立を学んでもらおうという活動を行なっている。
YEPでは、同じような経験を持つ人々の交流を目的とした、YEP同窓会の発足以来、YEPの過去の活動を振り返るという活動もしている。海外での様々な活動の発表をし、それを見た人がまたこの活動に興味を持ってくれれば、という意味合いが込められている。サンテック・シティー・モール(シンガポールで人気を集める、コンベンションセンター兼ショッピングモール)で開催することで、このプロジェクトに関わっている人だけではなく、YEPのことを全く知らない、人達にも広く知ってもらうことを目的としている。
活動は、例えば、カンボジアの女性に、シンガポールの手工業を中心とした働く環境の提供、シンガポールで失われつつある海に生息する生物の保護から、インドの子供達のITスキルの教育にまで渡る。
ブースでは、地域での活動、そこで作られた手工芸品、ビデオによるプレゼンテーション、インタラクティブゲームや写真が展示されており、そこには彼らの、現状にもっと貢献したい、そしてそれを広く知ってもらいたいという気持ちが現れていた。しかしながら、おそらくこの「教育」を自分に必要だ、と感じている若者はあまりいないだろう。そういう若者と僕達は、一緒にコーヒーでも飲みながら、「POW WOW」する必要があるのではないかと思う。
POW WOW
会期:2004年2月14日(土)〜15日(日)
会場:Fountain of wealth, Suntec City Mall
住所:3 Temasek Blvd, Singapore 038983
TEL:+65 6266 1502
https://www.sif.org.sg
Text: Fann ZJ
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Fann ZJ