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浜田武士

PEOPLEText: Sachiko Kurashina

「タイガー」で紹介されているグラフィック、イラスト、写真などの作品の選抜は、どのような視点で行われているのですか?

第一に、ページ構成的視点から全体の中でバランス良く組み込めるかどうかということ。ですので、単体で素晴らしい作品でも、どうしても組み込めなかったものも沢山あります。第二に、現在の自分の好みに合致するか。第三に、データ量的に耐えうるサイズに抑えられるかどうか、という事。

現在公開中のウェブ・シネマ「TRUNK」について教えて下さい。こちらはどのような映画ですか?

青山真治さんが監督されるショートムービーです。ウェブ・シネマというスタイルを取り、上映はインターネット(厳密に言うとダウンロード)となります。上映ツールを閲覧者が自分のコンピュータに保管(コレクション)して視聴します。また、シェア・モードという視点に切り替えると他の閲覧者の映画に関するコメントのログも面白い形で見る事ができます。

この映画での浜田さんはどのような分野を担当されましたか?

全体のビジュアルの方向性に対するディレクションとフォーマット制作です。

TRUNK」とコラボレートイベントであるサウンドリパブリック Vol.4 の共通仕様ポスター兼フライヤーの制作、ウェブの平面的なフォーマット制作。そして、上映ツールの平面的なフォーマット制作です。モーションに関するディテールや、インターフェイスの細部の文字処理等は「TYO-ID」のディレクション、またこのツールの最大の特徴である、シェア・モードは中村勇吾氏のアイディアと制作になります。

映画完成までの思い出深いエピソード、苦労した点、新たな発見などを教えて下さい。

苦労した点は、デジタルメディアですね。本職はプリンティングのデザイナーなので、印刷物に関してはどの部分に関しても自分で把握し、責任を持つ事ができますが、デジタル媒体に関しては、上に述べたように技術的、また物理的にも自分が細部に関して理解・把握しきれないのでかなりの部分をよく言えばコラボレート、悪く言えば頼らざるを得ない。という事になります。

自分の発しようとするアイディアに対してどの程度技術的裏付けを持って発言できるかという部分での実制作者に対する距離感という所が一番難しいところでした。しかし、自分にとって様々な未知の分野のクリエイターの方々にお会いでき、一緒にお仕事できたのは本当にいい経験で、勉強になりました。

今回、SHIFTのカバーデザインをしていただいたのですが、何をイメージし、どのように制作したのですか?

最初花が増えていくといいなあと思って描いていたのですが、だんだん雲みたいになってしまったので、最後にフワフワと動かしてみました。(※Special thanks : Lucio Gelsi)

今後の予定について教えて下さい。

毎年自分のテーマとして書体制作をしているので、それをじっくりやりたいです。現在寄稿物が増えているので、それらを充実させて何か新しい展開ができるといいなと思っています。

「タイガー」に関しては現在、東京と、サポートスタッフの在住する大阪とドイツの3点を拠点として新しい企画を進行中です。


Takeshi Hamada
住所:東京都港区赤坂 9-1-7
FAX:03-3475-0214
hamada@hamada-takeshi.com
https://www.hamada-takeshi.com

Text: Sachiko Kurashina

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