エミリー・カー美術大学 グループ展「アイ・キル・ユー・ウィズ・マイ・カインドネス」
HAPPENINGText: Aya Takada
Robert Popescul
ロバートが築く空間は心地よく楽しいものである。スナックやドリンク片手に仲間達と気ままに過ごせる空間をパブリックで再現したようだ。実際、中央に置かれたカウチで読書する人や待ち合わせをする人もいて、ギャラリーと言う空間を居心地のよい場所に変えていた。
David Lehman
ペインティング、ドローイング、スカルプチャーをバランスよく組み合わせたデイビッドの作品は彼のスケッチブックの細部を公開したかのようだった。独自のストーリーテリングはダダイズムやポップカルチャーを引用したものもありユーモアに溢れている。
Julia Feyrer
ジュリアはスパークラーグルー・ドローウィングで彼女の空間を表現。きらきら輝くラインのところどころにはぎょろぎょろした目玉が付着されている。その目玉が凝視しているものは一体何か、彼女の眼差しの行方に興味をそそられた。
Lisa Cinar
ドラッグ・ディラーに扮したリサのパフォーマンスはかわいくおもしろいもので、もちろんドラッグなどは売ってはいない。ジャケットの内側には彼女の作品と彼女にとっての生活必需品のペンが詰め込まれていた。ギャラリーの隅でこそこそとパフォーマンスするリサは、彼女自身の生きる空間とスラム街の現状を重ね合わせ、異空間を築いていた。
生活空間、街の空間、仲間と共存する空間、全ては自分が生きる空間。学生として活動する校舎も重要な空間である。コンコースギャラリーのようなオープンギャラリーも自己表現の場として活用しなければ、ただの広いスペースにすぎなくなる。ニールやニックたちがそれぞれに表現したように、日々の空間を思い存分活用することで自分自身を見つめる事ができ、思い描く明日に近づけるにちがいない。
新しい年、抱いた大きな企みを、まずは身近な空間で思い存分表現していきたい。
I Kill You With My Kindness
会期:2003年1月9日(木)〜13日(月)
会場:Emily Carr Institute of Art& Design
住所:1399 Johnston Street, Vancouver V6H 3R9
TEL:+1 604 844 3091
https://www.eciad.bc.ca
Text: Aya Takada
Photos: Aya Takada