ミリア 2002

HAPPENINGText: Jerome Lacote

「ワン(ONE)」という題名がついた興味深いCD-ROMを製作したのは、アンヤ・ハンデスト・スヨラップ。これは5人それぞれの気持ちの中を垣間見るのぞき見的な旅についてのナレーティブな作品だ。妄想症か、虚栄心に溢れているか、怒りっぽいか等といった性格的な特色によって各々が振り分けされていく。相馬寿夫は、ぜんまい仕掛けの時計を紹介。(若干前田ジョンのようでもあったが)マクロメディア・ディレクターでプログラムされたいくつかのインタラクティブな時計だ。


Anja Handest Sjorup “one”

参加した新人クリエイター:グレッグ・デイビル(ライトハウス・デジタル・メディア・デザイン、イギリス・ブライトン)、相馬寿夫(岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー[IAMAS]、岐阜県)、アヴィ・ハルトフスキー(バザエル・アカデミー、イスラエル・エルサレム)、エンリケ・ハルテイド(センター・フォー・エレクトロニック・アーツ、イギリス・ハートフォードシャー)、シモン・ノートン(RMIT大学、オーストラリア・メルボルン)、アンニャ・アンデス・スジョルプ(シドニー大学・カレッジ・オブ・アート、オーストラリア・シドニー)、リック・ファレル(スタッフォドシャー大学、イギリス・ストックオントレント)、シャリカ・ネリス(ダブリン・インスティトュート・オブ・テクノロジー、アイルランド・ダブリン)、ステファニー・ベラット(エミール・コール、フランス・リヨン)、チュぺル・ガランジェ(パリ第8大学、フランス・セントデニス)、ダニエル・アイルランド(テクノロジー大学、オーストラリア・シドニー)、ジョアンナ・H・イスニーミ(メディア・ラボ・ウィーア、フィンランド・ヘルシンキ)、ギヨーム・ボワイエ(ETPA、フランス・トュールーズ)、ドナルド・アバッド(フランス国立高等装飾美術学校、フランス・パリ)


Mixed Reality Pong © UIAH Media Lab

この新人コンペティション以外では、「ザ・ミックス・リアリティ・ポン」というイベントが注目を集めていた。いわゆる「ポン」ゲームを再編集し現実世界で楽しめるというもの。ルールは、ビデオゲームのポンと同じだが、バーチャルの中でのボールは全く速度を落とさないのに対して、このゲームの物理的要素が本物のボールの動きをシミュレーションするのである。個人的にこれは興味深いものだと思ったし、バーチャル的なものがもっとミックスされたリアリティのあるものになればいいと思う。


Nintendo GameCube

カールトン・ホテルで行われた豪華なパーティーに参加した時にヨーロッパに進出したばかりの任天堂ゲームキューブを私が試したのは言うまでもない。しかしその後のミッドナイトパーティーに行くためのボートに乗り込もうとしたらマイクロソフトに拒否されてしまった(なんてことだ!)。そのようなことがありながらもミリア最終日はきれいに晴れ渡り、私は地中海独特の気候を存分に味わったのだった。

Milia 2002
会期:2002年2月10日(日)~14日(木)
会場:Palais des Festivals, Cannes, France
https://www.milia.com

Text: Jerome Lacote
Translation: Sachiko Kurashina

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葛西由香
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