越後妻有アートトリエンナーレ 2000

HAPPENINGText: Yasmeen Ikeda

夏には30万本のヒマワリで埋め尽くされる津南町は、視覚、触覚、聴覚、嗅覚など全身をフルに使いながら自然とのふれあいを体験する、環境教育の場となっている。


景山健「HERE-UPON ここにおいて TIME PLACE」

津南町では景山健の作品「HERE-UPON ここにおいて TIME PLACE」を見ることができた。時間、空間、場所の3つがキーワードとなるこの作品は「その時、その場でしか起こり得なかったことから共有されるもの」を感じ取れる場である。一見何気ない風景だが、実はこの田畑は1本1本の割り箸で出来ているという、とても気の遠くなる作業を現地の人と協力しながら続け、そして点が線を超えて面に繋がった時、彼の精神世界が人々に開かれたという。


蔡國強「ドラゴン現代美術館」

そして一風変わった作品が蔡國強の「ドラゴン現代美術館」。林の中を登って行くとそこには本当にドラゴンが住んでいそうな造形物があり、まだ開催していないがその中では今後展覧会が開かれる予定だ。この建物は彼の母国である中国古来の文化「火薬」、「風水」を重視し、妻有から自然の「気」のエネルギーを掴むという試みだ。


西雅秋「BED FOR THE COLD」

また自然との共同作業をしているのは、西雅秋の作品「BED FOR THE COLD」。 この作品は直径10mの発泡スチロールで出来た白い輪を農業用用水地に浮かべてあるだけで、後は自然に委ねるという大胆な試みだ。年月が経ち自然がどのように参加するのを見とどけるのは現地の人にとっても、また年に1度だけでも訪れる人々にとっても興味深い事だろう。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE