ラブラフォード、イールズとロリー・カルソン
HAPPENINGText: Florian Weber
今月は、ラブラフォードを見に行ってきた。ずっと前から彼らのファンで、ポスターもいろんなところに貼ってるくらい。ライブを見にモロトフというクラブへ。ハンブルグでビッグなショーをやる時にはよく使われる場所らしい。中は半分くらいの混みようで、ガリ勉みたいな人達ばっかりだった。
中に入って行くと、一人の男が座ってキーボードをいじっていた。彼のジャズ/ポストロックの演奏をリズムにアレンジして聞かせようとしていたらしいけど、なかなか難しかったようだ。もっと面白く、ハーモニックにできたと思うんだけど。それで、飲み物を買いに外に出ることにした。少ししてから戻った時には、パン・アメリカンに変わっていた。彼らのレコードを聞いてかなり期待してたのに、大したことなくてちょっと残念。
ついにラブラフォードが登場。たった3人でそんな音楽ができるなんて、スゴイの一言。たっぷり時間をかけてみんなを総立ちにさせるような曲作りをする彼らのようなすごいバンドは、他にいないと思う。彼らのプレイが100%調子外れだと感じる人もいるかもしれないけど、彼らが楽器の達人だということを忘れているんじゃないだろうか。それらが全部ひとつになった時に彼らの魅力がゆっくりと見えてくるだろう。ラブラフォードの3人は、僕が思っていたよりちょっと老けていた。30歳かもっと上くらい。でもやっぱりスゴイ。
今月は、イールズのライブにも行ってきた。イールズは結構有名なバンドで、名前は良く聞くけど彼らが好きとか嫌いとかいうのは、あまり聞いたことがない。チケット代はけっこう高くて、CDが2枚買えるくらいの値段だったけど、ショーはすごく価値のあるものだった。会場は、マーケットホールという場所で、ここもハンブルグでショーがある時にはよく使われる場所らしい。会場は、かなり妙な雰囲気。安っぽいベンチが並んでいて、ライブというよりプロレスの会場みたいだった。
イールズの前座を務めたのは、ロリ・カーソンという女の子で、椅子に座ってギターの弾き語りをしていた。まるでトーリ・エイモスか、昔のアラニス・モリセットみたいな雰囲気。彼女のギターは30分くらい続いた。何て言えばいいのか、、楽しい歌をありがとうって感じかな。
前座が終わってやっと本物のロックの出番!イールズの登場だ。あっという間に観客をいい雰囲気に包み込んだ。トランペットプレイヤーはサンタクロースのコスチュームで、カウボーイの格好をしたドラマーとすごくマッチしていた。まぬけに見られることを恐れないバンドっていうのは、見ていて楽しいものだ。
彼らのサウンドがベックっぽいって言う人もいるけど、僕はそうは思わない。彼らはスゴいミュージシャンで、みんなそれぞれ最低3種類の楽器を演奏できる。しかも完璧に。彼らの1時間半にわたるプレイが終わった後で、ものすごく高かったチケット代分の価値があるものだったか考えてみたけど、結局良く分からなかった。でも、とにかく素晴らしいショーだった。
ではまた来月!
Text: Florian Weber
Photos: Mayumi Kaneko