企画展「THE ORIGINAL」

HAPPENINGText: Alma Reyes

二つ目の部屋は、アメリカで最も著名な工業デザイナーの一人であり、ハーマンミラーの主任デザイナーであったジョージ・ネルソンによる「ネルソン シンエッジベッド」(1954)によって構成された住宅インテリアが展示されている。ネルソンは角度をつけて用いられたパーツとローズウッドのベッドフレームを使用している。ベッドはスリムな外観と熟練した木工技術によって実現されている。


「ネルソン シンエッジベッド」ジョージ・ネルソン(1954)撮影:アルマ・レイエス

今日私たちが目にするデザインの多くは、伝統的な工芸品に基づく生産方法が機械に置き換えられた19世紀の産業革命の間に登場した。ミヒャエル・トーネットの曲木椅子は1859年にはすでに完成していた。トーネットは蒸気で熱したブナの丸棒を金型にはめて曲げる手法によってウィーンの椅子を近代化した。シンプルなデザインは、大量生産の家具を販売するための画期的なものであった。


「214(No.14)」ミヒャエル・トーネット 撮影:アルマ・レイエス

20世紀初頭に芸術とデザインは不可分になった。装飾性に富んだプロダクトデザインを提唱するウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動の主義はヨーロッパ中に浸透していった。1903年にコロマン・モーザー、ヨーゼフ・ホフマン、フリッツ・ヴェルンドルファーによって設立されたウィーン工房は、建築、家具、食器、テキスタイル、ファッションを「総合的な」デザインに具現化した重要なムーブメントであった。


「シリーズB」(ワイングラス、ワインデキャンタ、リキュールタンブラー、ウォータータンブラー、ビアタンブラー、シャンパンカップ)、ヨーゼフ・ホフマン(デザイン:1914)撮影:アルマ・レイエス

ヨーゼフ・ホフマンの「シリーズB」(ワイングラス、ワインデキャンタ、リキュールタンブラー、ウォータータンブラー、ビアタンブラー、シャンパンカップ)(1914)は、この哲学をストライプのモノクロが織りなす幾何学的なパターンとしてとらえ、ガラスのきれいな質感と完璧に調和している。この時代には1919年に設立されたバウハウスがムーブメントを起こし、建築、家具、デザインの分野で最も偉大なリーダーたちを輩出した。卒業生の一人である、通称「ワシリー・チェア」と呼ばれる椅子で著名なマルセル・ブロイヤーは、モダニズムの要素として鋼管を導入したカンチレバーチェア「S 32 V」(1929)を作った。編み上げられた藤と木の枠でできた座面と背もたれと一筆書きのような鋼管の優美な曲線がコントラストをなしている。

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