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アンノウン・アジア 2020

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

木下杏美「落花生」風呂敷, 2020年, 90 × 90 mm, 綿100%・インクジェットプリント木下杏美「カットネギ」風呂敷, 2020年, 90 × 90 mm, 綿100%・インクジェットプリント
木下杏美「落花生」「カットネギ」風呂敷, 共に 2020年, 各90 × 90 mm, 綿100%・インクジェットプリント

透明感とにじみが特徴のイラストを描く、京都生まれのデザイナー、木下杏美。今回は“食料品”をテーマにイラストを描きインクジェットプリントで生地を制作し、モチーフとなった食料品をプリント生地で仕立てた風呂敷で包む作品を発表した。オンラインでのプレゼンテーションの巧さも光るが(上の写真をクリックしてみてほしい)、実際の展示ではどのように見せたのだろうかと、想像を膨らませてみるのも今回のフェアの楽しみの一つだろう。今後予定されているという、オンラインショップでの作品販売も楽しみにしたい。

谷敷謙「THE POWER OF CHOICE」2020年, 1,940 × 2,606 × 80 mm, 木目込み、着れなくなった服、スタイロフォーム、特殊捺染
谷敷謙「THE POWER OF CHOICE」2020年, 1,940 × 2,606 × 80 mm, 木目込み、着れなくなった服、スタイロフォーム、特殊捺染

雛人形にも使われる日本古来の技法である木目込みを現代に融合した作品を発表した東京生まれの谷敷謙。以前は存在証明として娘が着ていた古着を用いて作品を制作していたのを、その対象を身内から知人、社会へと変化し、より社会的なメッセージを持つ作品発表を行っている。作品に使用している生地は、古着をリユースしており、近年注目されているアップサイクル(創造的再利用)やサスティナビリティ(持続可能性)といった文脈も企業や多くのレビュワーから評価された。

王婕「モーニングウォーク」2020年, 232 × 309 mm, デジタル王婕「パープルディスクロージャー 」2020年, 232 × 309 mm, デジタル
王婕「モーニングウォーク」「パープルディスクロージャー」共に 2020年, 232 × 309 mm, デジタル

台北在住の王婕(ウォン・チエ)は、パンデミックを機に地元である台湾の美しさに焦点を当てたデジタル絵画作品を発表。キャラクター(魔女のゾーイ)を日常のシーンに加えることで、彼女は、ありふれたものをより気まぐれで魔法のようなものに変えたいと願っている。一日も早く不安のない日常を取り戻したいと世界の誰もが望んでいるところだが、このように非日常下においても当たり前にそこにある日常の美しさに気づくきっかけを与えてくれる作品だった。今後、台湾の蔦屋書店で彼女のグッズが販売される予定だそう。

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