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「ボヤージュ、ボヤージュズ」展

HAPPENINGText: Ilaria Peretti

マルセイユのヨーロッパ地中海文明博物館(MuCEM)で、クリスティン・プーランとピエール・ニコラス・ブナコフのキュレーションによる展覧会「ボヤージュ、ボヤージュズ」が、5月4日まで開催されている。

展覧会目録のイントロダクションは次の数行から始まっている。『理由は何であれ、発見の欲求、他の場所への探求、亡命や放浪、旅はいつもアーティストにとってインスピレーション、交流、影響の源である…』
展覧会はこれらのコンセプトに基づいており、19世紀の終わりから現在に至るまでの作品を厳選して紹介している。

View of the installation “Accumulation – Searching for the Destination” of Chiharu Shiota, 2014-2019 © Julie Cohen

マルセル・デュシャンの「トランクの中の箱」(1935-1941年)から、塩田千春の壁の高さいっぱいに部屋半分を占めた詩的なインスタレーション「集積 – 目的地を求めて」(2014/2019年)まで、旅は、「スーツケース」を通して体験される。

展覧会は、ドキュメンタリー作家のパスカル・メッサオーディによる、マルセイユの人々の声を録音した、旅についての考えや感情を表現するサウンドインスタレーションで始まる。中でも特筆すべきは「ボーメット監獄」(マルセイユの男性刑務所)の囚人たちのもので、彼らができる唯一の脱出は、内なる旅を想起させる。

Paul Klee “Before the gates of Kairouan”, 1914. Watercolor pencil and cardboard, 135 x 220 mm. Moderna Museet, Stockholm © Moderna Museet / Stockholm

また、アルベール・マルケ、ワシリー・カンディンスキー、ポール・ゴーギャン、ポール・クレーなどのアーティストたちが描く線や形、そして色から分かるように、旅は、革新の源である。絵画や彫刻、インスタレーション、素描、写真、映像を通じて他のアーティストは、旅行が芸術的な展望を覆す方法を強調しながら、この概念をより遠回りに扱っている。

View of “Hot Spot” of Mona Hatoum, Scenography of Studio Matters, 2018 © Julie Cohen

アーティストのレイラ・アラウィジネブ・セディラは、国境の重要性に対峙し、入国を拒否される全ての人々の代表として語っている。ブシュラ・ハリーリの映像作品「マッピング・ジャーニー・プロジェクト」(2008−2011年)は、マーカーを手に持ち、違法に国境を越えることを余儀なくされた人々の複雑な道を描く。モナ・ハトゥムの赤いネオンのインスタレーション「ホットスポット」(2018年)は、紛争や混乱によって侵害され続けている危険地帯としての世界全体を表している。

亡命や移住に関連した作品があるにも関わらず、展覧会は、現実を映し出した姿、喜びと発見の旅、マーティン・パーの写真に見る観光、リチャード・バキーの「コックピット」(1986年)のような想像上の旅行よりも、空想に焦点を当てている。
いくつかの側面は見落とされていて、調査は十分とは言えないが、この展覧会は、アーティストたちの、探検、移動、旅行の醍醐味を強調し示している。

「ボヤージュ、ボヤージュズ」展
会期:2020年1月22日(水)〜5月4日(月)
開館時間:11:00〜19:00(火曜日休館)
会場:MuCEM
住所:1 Espl. J4, 13002 Marseille, France

観覧料:9.50 ユーロ
https://www.mucem.org

※本展覧会は新型コロナウイルスの影響のため臨時閉館中。

Text: Ilaria Peretti
Translation: Moeko Noguchi

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