今年も本誌編集長の筆者が審査委員の一人として参加したので、ここからSHIFT賞を授与した作家と、注目した作家達を紹介したいと思う。

Chika Shirakawa © UNKNOWN ASIA

今回、SHIFT賞として選出したのは、大分県出身・福岡県在住の白川千佳。ユニークなオリジナルゆるキャラ「スリジャワ」を中心に、ポップな色彩と構図で独自の世界観を作り出している。このキャラクター自体は専門学校時代から描き続けていたそうだが、このスタイルでのまとまった展示は初めてとのことで、長年あたためていたものがアンノウン・アジアで開花したように思う。これからどう発展していくか楽しみだ。

Lamunlamai Craftstudio © UNKNOWN ASIA

一見、北欧スタイルを思わせるセラミック製のテーブルウェアを発表していたラムンラマイ・クラフトスタジオ。タイ、バンコクを拠点に2012年から活動しているアカラポンパイサン・マイとネットプロム・ノルからなるデザインスタジオだ。展示した作品は、缶詰や調味料の容器など、日常品を再解釈して新たな命を与えた実用性のあるオブジェクト。日々の生活に溶け込むアート作品だ。

Kito Fujio © UNKNOWN ASIA

「公園遊具」と題した写真シリーズを発表していた木藤富士夫。日本全国にある主に昭和の時代に作られた数が少なくなりつつあるコンクリート製の公園遊具を撮影する活動を行っており、普段の生活で見過ごしてしまう風景に新たな視点を提供している。夜中にライティングし、分割撮影を行って後から一枚の高画素写真に合成することで、バロック絵画のような質感をもつ写真作品に仕上げている。