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ペーター・ヤンソン

PEOPLEText: Victor Moreno

2008年にH&Mグループがチープマンデイを買収しましたね。

そうです。デザイン部はあまり変更せず、今まで通りにやらせてくれました。生産部門のみ関与してきて、私たちにとってはいい結果となりました。

同じ会社のウィークディに異動したのは、どうしてですか?

5年間同じ場所でこの仕事をしていて、新しいことに挑戦したかったのです。ウィークディは同じ会社ですが、働き方は全く違います。彼らは独自のストアがあって、それゆえアプローチ戦略が違うのです。シーズンに近い働き方です。

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© BeWider

それぞれのベストとワーストの経験は何ですか?

大企業では良くも悪くも、タスクがとても厳密です。顧客から遠ざかってしまうので、私にとっては悪い方です。オフィスでは300人くらい働いていて、マシンの一部のようでした。仕事がストリームラインの一部のようになるのです。BeWiderでの仕事は、それとは全く反対です。
ベストなことはもちろん新しい友人に会えたこと。チープマンデイが成長し始める最初の時期に働けたのは、いい経験でした。たった7人しかいなくてデザインからマーケティングまで全てをやって、出張も沢山ありました。お客さんにも近くて、アイディアが商品になるまでの時間が短かった。すごく自由でフィルターをかけない生のままの会社でした。でもそれは小さい会社を大企業と比べると、そう感じるものです。ただチープマンデイはとてもうまくいっていたので、小さな会社が抱えがちな生産や金銭的問題には縁がありませんでした。

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© BeWider

BeWiderを立ち上げましたが、モノプロダクトとはどういう意味ですか?

ユニセックスでスタイルはひとつしかなく、違う生地や色、ウォッシュなどで永久的にそのスタイルを作り続ける、という意味です。今日では、特にデジタル時代においては、日々受け取るメッセージの量に圧倒されてしまうので、確固たる単一のメッセージにフォーカスすることはとても大切です。

自分のブランドを立ち上げようと思った理由は?

自分自身でやりたくなったからです。個人的に成長し、ファッションブランドを作る全過程に携わりたかったのです。そこにはコミュニケーション、デザイン、生産などが含まれます。

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今日ではデニムブランドが数えきれないほどありますが、20年前はリーバイスやラングラーのようなブランドと競合するデニムブランドを立ち上げるというのは考えられなかったのではないでしょうか。そんな中、デニムブランドをスタートさせるのは大胆にみえますが、どう思いますか?

はい、それは充分認識しています。モノプロダクトブランドに関しては、アプローチが違ったのだと思います。多くのブランドがロックやヒッピーからインスピレーションを得ていて、デニムをストリートファッションに位置づけることはそれほどありませんでした。もちろん沢山のファッションブランドがデニムをやっていましたが、彼らはデニムだけのブランドというようなコミュニケーションはしていませんでした。デニムしかやらないというのは、ステートメントでマーケットに対する明確なメッセージです。一つのスタイルしかやらないブランドというのは、ある意味おもしろいと思います。デニムブランドとしてはユニークだし、メッセージがクリアであるほど先ほどお話したような巨大なコミュニケーションの世界では、躍進するのが簡単になります。

ブランドは90年代のアンダーグラウンドダンスカルチャーからインスピレーションを得ていますが、デザインやシルエットの中ではどのあたりにそれが見られますか?

はい、90年代のストリートファッションやアンダーグラウンドダンスカルチャー、特にレイブに影響を受けています。シルエットは90年代のワイドなものだし、デザイン面では色や生地が90年代のオレンジや黄色のパンツから来ています。私が伝えるメッセージは、自分らしくて、人と違う。優しい。熱心。敬意を払う。強くあること。BeWider。それは90年代レイブの自由さにも関連しているかもしれません。

現段階でBeWiderはどこで購入できますか?

ストックホルムにある「Från Ö till A」かオンラインで購入できます。bewider.comでも購入可能です。もし誰か私のブランドを委託販売したいという人がいたら、声をかけて下さい。

Text: Victor Moreno
Translation: Shoko Atsuji
Photos: © BeWider

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