近年、快進撃を続けている「エイトエイコ」（東京）。岡本光博は、昨年出品された黒フレコンバッグ（放射能汚染土廃棄袋）製のゆるキャラ「モレシャン」の子どもだという「コモレ」や、ワンピース（洋服）を検索するとワンピース（漫画）がヒットする現状から着想を得た「ワンピース・ワンピ」等を出品。

1407号室　eitoeiko（東京）

島本了多の作品は、同ギャラリーにて執り行われた自身の「生前葬」で全身を覆った絆創膏の抜け殻や記録映像、体毛による筆と書など、来場者の価値観が更新されそうなものばかり。そして、その渦中にあっても江川純太の抽象画は鮮明な印象を残す。

1408号室　ギャラリーかわまつ（東京）

次世代のポップアートとなりうるストリートアートをいち早く紹介している「ギャラリーかわまつ」（東京）は、バンクシーやマウ･マウの作品、同じく英国を拠点とするスタティックの代表作である、輸送用の軍用ヘリがシャンデリアを運ぶモチーフのバリエーションなどが見られた。他にも、誰もが知る芸術的モチーフを引用したドットマスターズのスプレーペイント、米国次期大統領ドナルド・トランプを風刺したであろう作品などが目を引いた。窓には、路上生活者が集う街角でトランペットを吹く少年を描いたロームカウチの「夜奏」が静かな存在感を示していた。

1410号室　UNKNOWN ASIA（特別出展） Supported by Peach

連携企画として、ポートフォリオ・レビューも行った前述の「アンノウン・アジア」の特別展も関空を拠点に国内・国際線を運航する日本初のLCC「Peach Aviation」の協賛により今回初めて行われた。「アンノウン・アジア 2016」へ出展した作家の選抜展として、今回は冨永絢美、宮原野乃実、Wei-Hua Lin（ウェイ・ファ・リン）などの作品が展示された。

1409号室　[UNKNOWN ASIA 2016 審査員賞受賞作展] 寺田智也（大阪） Supported by Peach

その隣室では、「アンノウン・アジア 2016 審査員賞受賞作家展」として、写真家の寺田智也（大阪）による作品が展示された。本誌編集長でアートフェア札幌のディレクターでもある大口岳人が「アンノウン・アジア 2016」に審査員として参加し選賞を行った副賞としてこの特別展が実施された。作家自身が常駐していたこともあり、作品に興味を持った来場者と熱心に会話をするなど、作家にとっても直接反応が知れる貴重な機会になったようだ。