フォンダシオン・ルイ・ヴィトン

PLACEText: Wakana Kawahito

この美術館は、元々エル・ヴイ・エム・エイチグループ最高経営責任者のベルナール・アルトが持っている個人コレクション、この場所のためにアーティストが制作した作品、定期的に開催する企画展やコンサートの3つを軸に成り立っている。

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Cerith Wyn Evans “A=F=L=O=A=T” © Fondation Louis Vuitton, Marc Domage Ⅱ

この場所のために作られたサイト・スペシフィックな作品のラインナップは大変豪華。オラファー・エリアソン、エルズワース・ケリー、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー、アドリアン・ヴィジャール・ロハス、サラ・モリス、タリン・サイモン、ケリス・ウィン・エバンスなど、日本でも知られた作家ばかりが並ぶ。

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Olafur Eliasson “Inside the horizon” Photo: Wakana Kawahito

例えば、「洞窟」と呼ばれる1階の外廊下にある、オラファー・エリアソンの「インサイド・ザ・ホライズン」は、ファンダシオン・ルイ・ヴィトンを代表する作品といってもいいかもしれない。照明と鏡、水の反射を上手く利用したこの作品は、光の美しさを再認識させ、見る人の記憶に残る。

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Sarah Morris “Strange Magic” Photo: Wakana Kawahito

綿密で繊細な表現は、他の作品にも共通している。サラ・モリスの「ストレンジ・マジック」は、まるで宝石のようなパリの街並みや素材のディティールに、ドキュメンタリータッチの映像を交えながら、美術館ができるまでの工程を捉えており、設計・建設のプロセスそのものをアートにまで昇華させた。

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