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アートフェア札幌 2013

HAPPENINGText: Ayumi Yakura

東京セレクションのギャラリーは9軒だ。それぞれが国際的な視点を持って活動している。ギャラリーの役割は、アートを展示・販売することだけではない。例外はあるが、日本のアーティストが海外で活躍したり、海外アーティストの作品と日本で対面できる背景には、その才能に惚れ込んだギャラリーによる、優れたマネジメント力が働いているのだ。新進気鋭のアーティストを発掘することも彼らの重要な役割といえる。

1404号室 小山登美夫ギャラリー(東京・シンガポール) 写真:小牧寿里
1404号室 小山登美夫ギャラリー(東京・シンガポール)

小山登美夫ギャラリー(東京・シンガポール)の、シックかつ現代的なセンスの空間づくりは、ホテルを最大限に活かした展示と言えるだろう。白と木目を基調とした内装に、青木良太の陶芸の白や、日高理恵子が描いた樹木のモノクローム、菅木志雄の木彫、蜷川実花のカラー写真や、桑田卓郎の陶器などを鮮やかに配し、完璧に調和させることで各作品の個性と上質さを際立たせていた。今回は、世界的にも有名なイギリス人アーティスト、ダミアン・ハーストの作品出展を発表したことでも、事前に注目を集めた。

1406号室 ミヅマアートギャラリー(東京・北京・シンガポール) 写真:小牧寿里
1406号室 ミヅマアートギャラリー(東京・北京・シンガポール)

ミヅマアートギャラリー(東京・北京・シンガポール)にも、会田誠の「あぜ道」などの有名な現代アーティスト達の作品が並んでいた。会田といえば、今年、札幌芸術の森美術館で展示された大作「大山椒魚」のインパクトも記憶に新しい。鴻池朋子が鉛筆で描いた少女の大きな瞳からは、宇宙のように広がる輝きを感じた。宮永愛子の消えゆくナフタリンを使用したオブジェは、洗面台の暗闇で仄かに光り、目の前にありながら声の届かない遥か深海を思わせた。

1407号室 東京画廊+BTAP(東京・北京) 写真:小牧寿里
1407号室 東京画廊+BTAP(東京・北京) 

東京画廊+BTAP(東京・北京)には、帯広出身で60年代から国際的に高い評価を受けている矢柳剛の作品があった。2011年には同ホテルで個展「POP UKI – 色彩の魔術 –」も開催している。入江早耶による、平面作品を消した消しゴムのカスで立体を作った、ユニークな発想と斬新な技法は、SNSや口コミでも話題を呼んだ。話題性だけではなく、平面と立体の本質を提起しながら、幅広いターゲットの興味を現代アートへ誘う魅力があった。

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