テンポリアム
HAPPENINGText: Alicia Tan
食事やギャラリーも楽しめるポップアップストア「テンポリアム」。2014年の3月に182日間の営業を終える期間限定の商業施設がスタートした。
© TEMPORIUM
シンガポールのショッピングシーンにインパクトを創りたいという思いが、その様相と雰囲気から感じられる。活気あふれるカラフルなインド街のエリアからヒントを得て、テンポリアムの店頭は素朴な白壁に目を引くグリーンが配されている。この古さと新しさ、ハードとソフト、光と影のコントラストがスペース全体を演出し、店を特別な場所にしている。
© Alicia Tan
クリエイティブ・スタジオTofuとブティックのディベロッパー「ブリーズウェイ」が、今日の買い物客に一貫したショップ&ダイニングのエクスペリエンスを提供する。来場者は左、右、上、3つの方法で自由に中に入ることができる。テンポリアムを探索するのに正しいも間違いもない。この自由さが一時的なスペースの特徴を遊び心で満たしている。テンポリアムの楽しみ方はあなた次第だ。ウィンドウショッピングの前にお茶をしてリラックスするもよし、新しいシャツを手に入れるために2階に直行してもよし。
© TEMPORIUM
ローカルブランドやシンガポールの地で急成長中の小売店が出展できるよう、テンポリアムは4,000平方フィート(約1.3平方キロメートル)の土地をショップスペースとして3つのメインセクションに分けられている。最初のフロアは本拠地であるシンガポールのレディースブランドと小さなカフェ、2階がメンズウェアと展示スペースになる。
© TEMPORIUM
BGMには優しく明るい音楽(SHIFTが訪れたときにはキッチンレーベルレコーズが流れていた。)が流れる傍ら、通好みのYumimu’sの建築的な服や招待者限定のジュエリーショップがリラックスした雰囲気を醸し出す。1階のショップスペースには、風変わりなマネキンからユニークな棚のディスプレーまで、驚きがたくさんある。裏手にある心地よい小空間には温かなライティングのもと丹念に選ばれたローカルミュージックレーベルのセクションもある。
© TEMPORIUM
右側に少し行けばフレッシュに焙煎されたコーヒーの香りにたどり着く。コンプリメンツ・オブは職人によるコーヒー焙煎所のパパ・パルヘタと陶器を扱うウィークエンド・ウォーカー、レストラン「ワイルド・ロケット」のシェフウィリン・ローによるコラボレーションだ。小さく心地よいスペースで五感を刺激する食事体験が楽しめる。コンクリート、木、陶器、そしてカーペットという素材のコントラストがここでも魅力的に感じられる。
© Alicia Tan
2階へは一度外へ出て、中ほどにある目立たない一続きの階段を上る。
© TEMPORIUM
ここでは、地元で成長している-J-A-S-O-N-やサンデーズといったメンズブランドが、シンガポールの独立系出版社マス・ペーパー・プレスの本やファブリックスなどのアクセサリーブランドと一緒に見ることができる。そのキュレーションは思慮に富んでいて驚きがある。テンポリアムはシンガポール独自のブランドのプロモートに継続的に注力しているようだ。ショップを独占するかの商品ディスプレーは多分その好例といえるだろう。テンポリアムのような先駆的なスペースがまさに新進気鋭のシンガポールのデザイナーたちを奨励しているのだ。
© Alicia Tan
アートを楽しみたい人には2階にあるテンポリアムのギャラリースペースがある。最初の展示は6人の地元工芸家チームによるブックス・アクチュアリー。「お静かにー作業中」と題された展示は2013年9月14日から10月11日まで開催。
テンポリアムはこれから花開こうとする、そしてすでに確立されているたシンガポールのブランド、デザイナー、アーティストが出会う場所だ。そしてブランドと顧客が自然な形で関わりあえる、シンガポールでも数少ない場所であるだろう。
TEMPORIUM(テンポリアム)
会期:2013年9月7日〜2014年3月8日
時間:店舗/ギャラリー10:00〜20:00(食事9:00〜22:00)月曜定休
住所:72 & 74 Dunlop Street Singapore 209400
http://temporium.com.sg
Text: Alicia Tan
Translation: Fuyumi Saito