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堂島リバービエンナーレ 2013

HAPPENINGText: Chiaki Ogura

見たものの記憶に残るであろう「堂島リバービエンナーレ 2013」が、今年も開催されている。世界各国から集まったアーティスト28名による、絵画・彫刻・ 映像・写真・インスタレーションなどの現代アート作品39点が、堂島リバーフォーラムに集まる。

アーティスティックディレクターは台湾出身のキュレーター、ルディ・ツェン。名の知られたアートコレクターでもあり、アジアでは数少ないテート・ギャラリーのアジア太平洋購入委員会委員や森美術館の国際委員を務めたりと、国際的なアートの場で活動されている方だ。

堂島リバービエンナーレ2013「リトル・ウォーター」

2009年の「リフレクション:アートに見る世界の今」、2011年の「エコソフィア」に続き、第3回目となる今回のテーマは「リトル・ウォーター」。

堂島リバーフォーラムの目の前には堂島川が流れている。テーマの軸となったのは、「堂島川との対話を取り入れながら、水の意味や多様性を再考することだ」とルディ氏は話す。歴史的な文化の発展に水の存在は不可欠であった。水を7つの構成要素にわけ、それぞれのテーマに沿った作品が揃っている。堂島リバービエンナーレ2013のために作られたオリジナルも多数展示されている。これから “7つの構成要素” に合わせて、何点かずつ作品紹介をしていきたい。

「天然資源としての水」

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スーメイ・ツェ「三賢者」

水とは価値の高い天然資源である。人間は水が無ければ生きていけない。ヴェネツィア・ビエンナーレで受賞暦のあるスーメイ・ツェの新作「三賢者」では、砂漠でも少量の水で生き続けるサボテンをモチーフにして、賢さと水の価値を表現している。また入口に置かれている水の入った三角形のガラス容器は、堂島川の水と浄水の対比を表したメグ・ウェブスターの作品だ。濁った水と透明な水を視覚的に捉えることで、改めて水の存在について考えさせられるものであった。

「浄化作用をもつ水」

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アラヤー・ラートチャムルーンスック「クラス」

水には清めの意味をもつ場合がある。宗教における洗礼がその好例といえよう。アラヤー・ラートチャムルーンスックの映像作品「クラス」では、コミュニケーションを取れない死者に向かって、教師に扮したアラヤーが授業形式で話しかけ、清めるという行動をピックアップしている。作品としてだけでなく彼女自身も身寄りのない死体を引き取り、清め祀るという活動を約10年間続けている。

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