ジン・ニュ
PEOPLEText: Hiromi Nomoto
制作する際に、最も重要としているものは何ですか?
最も重視しているのは私の気持ちです。女性はやはり敏感で直感的です。ですから男性アーティストのように、あまりに大きなテーマを選択しません。私の生活環境や経験、より自我を主張するように、全て私自身から発しています。やはり自分の生活と密接です。自己の生活と自我を作品の中に込めています。
「冷光3」Jin Nu, 2009. 27x22x22cm, 樹脂着色
小さいころに書画を習っていたそうですが。あなたの作品に中国の影響はありますか?
やはり関係があると思います。確実に深い影響を受けています。しかし、現在の制作には特別に深い影響は感じられないかもしれません。西洋式の彫刻技術に影響を受けています。しかし、私は気質があると思います。例えばピンク色の彫刻には、柔らかさ、それから玉のような風格があります。これは、中国の伝統的な彫刻ではなく、中国の伝統文化の影響です。それは国に関わらず、日本や韓国を含めた東洋のアーティストは往々にして細やかな質感を選びます。これが東洋の文化なのでしょう。
あなたはとても人気のある若手アーティストです。中国では若いアーティストが多く存在します。そして彼らの作品はとても人気があります。他の場所ではあまりないことだと思います。あなたはこれをどのように考えていますか?
私は幸運だと思います。今中国は様々な環境や経済での発展で、ちょうど社会変革のような時代にあり、社会は大きな影響を受けています。私たちはこの地点にでてきたばかりです。他の国では、変革期が10年以上前に完成していたのでしょう。ですから、中国のアーティストは外国の若手アーティストより大きな注目をされるのです。
私は実際のところ、若手はみんな同じだと思っています。作品について言えば、何も違いはありません。私たちは経済的な環境の影響を受けているだけです。それで関心を得ているだけです。
「冷光1」Jin Nu, 2009. 28x20x57cm, 樹脂着色
あなたの作品とあなた自身は、まるで一緒に成長しているようですね。これから先はどうなっていくのでしょうか?
これからの作品がどうかは、自分でもどのような変化があるのかは上手く言えませんが、試し続けます。
たとえば “孤独” のような、人びとに共通する体験は、みんなが持っています。私だけではありません。孤独な少女のように、おそらく全ての人が生まれてから死ぬまで、孤独な一人です。これらの気持ちは共通しています。私がつくるのは、自分と関係のあることだけでなく、人びとに共通する作品です。
Text: Hiromi Nomoto
Photos: Star Gallery