D2

PEOPLEText: Hanae Watanabe

ニューヨークを拠点として活動する3名の日本人のアーティスト/デザイン集団「D2 」。まだ結成1年だが、一点物の家具や服、オブジェクト等を制作や販売をしながら、トレードショウへの参加やギャラリーでの展示活動など積極的にアーティスト活動を行っている。
今回、SHIFTのカバーデザインも手掛けていただいた「D2」にお話を伺った。

2_home-imagebw.jpg

自己紹介をお願いします。

D2はニューヨークを拠点に、主にインテリア、プロダクトデザインおよび服や雑貨等を制作しているクリエイティブチームです。
私たちの作品の特徴は、アメリカのアンティーク、インダストリアルアイテムの持つ、独特でありながら素朴な質感、形からインスピレーションを受けており、実体を多方面から観察し、遊び心を加えた物作りを心がけています。

29_branchtable-natural1.jpg
Branch table / natural

3人のそれぞれの活動の役割について教えてください。

D2は3人のメンバーで構成されています。各々が得意とするフィールドをもっていますが、メンバー全員が全ての作品のデザイン、コンセプト、プロダクションの過程に加わっています。伊藤佳史は家具をメインに制作活動をしており、インダストリアルなデザインが特徴です。久保和也は服及び雑貨をメインに制作活動をしています。ティム伊藤はニューヨークと東京を拠点とするインテリアデザイナーであり、D2のインテリアデザイン及びプロダクトデザインをメインに活動しています。

88_rimg0109.jpg
branch table / small 03

これまでの活動経歴を教えてください。

D2は2010年に始動したばかりの若いクリエーティブチームですが、今までにいくつかのショー、プロジェクトに参加させて頂きました。
2011年には、ICFF(国際現代家具見本市)と同時期にチェルシーで開催される「WANTEDDESIGN」で、ブランチテーブルを含むいくつかのコンセプトを発表する事ができました。また同時期に、マンハッタンにあるマックスマーラの店頭ディスプレイとして作品を発表する機会を頂き、その他にも、ブルックリンのダンボ、ウィリアムズバーグの店頭ディスプレイとして作品を発表させて頂きました。
その後直ぐに、マンハッタンにあるカフェのインテリアデザイン/デコレーションプロジェクトに参加させて頂き、2012年5月には、クイーンズにあるM55ギャラリーで、D2として始めてグループ展に参加し、いくつかの作品を展示する事ができました。また2012年7月には同ギャラリーでの展示会に参加する事が決定しています。

65_moose1.jpg
moose antler table

3人の出会いと、ユニットを組んで一緒に活動することになったきっかけは何ですか?

私久保和也(カズヤ)と伊藤佳史(ヨシ)はマンハッタンのLESにあるアパレル系の会社で一緒に働いていました。初めて彼の作品を見た時、一緒に何かを始めたいと思いました。同時期にヨシはマンハッタンで同じビジョンをもったティムと出会い、3人でクリエイティブチームD2を立ち上げて活動をする事になりました。その後ポートフォリオを持ってリテイルストアー、ギャラリー、コンサイメントストアーを周り、自分達の作品を各所に拡げる事に時間を費やしてきました。

24_anttena3.jpg
antenna lamp

D2の名前の由来は何ですか?

D2は私たちが住居兼制作スペースとして借りているアパートメントナンバーから引用しました。全てはここから始まったと思っています。

15_bookscandles01-1_v2.jpg
book and candle 01

D2ならではのコンセプトやこだわり、制作の際に普段心がけていることは何ですか?

ある実体を考察する際、既成概念からの見え方に心を奪われがちです。しかし、異なるベクトルからその実体をとらえた場合、常識的な価値観を超えた、新たな世界へ誘ってくれるものへ変化します。実態を多方面から考察し、遊び心を加える、それがD2のコンセプトだと思います。

36_gun-lamp1.jpg
gun lamp

D2が思う、アンティークやヴィンテージの良さを教えてください。

ビンテージ、アンティークといったアイテムが持ち合わせる質感、色味、無骨さはとてもユニークであり美しく、D2のクリエーションにおいて必要不可欠な物であると考えています。

63_horse-tail1.jpg
horse tail lamp

作った家具や服はどんな方に使って欲しいですか?

私たちの作品に愛着を持って大切にしてくださる方、プライベートな空間に私たちの作品を置きたいと強く感じてくれる方に長く使って頂きたいです。

33_foot-stool1.jpg
foot stool

制作の際の作業はどのように進められているのですか?

私たちは常にビジョンを共有しているので、個々に制作する事が多いです。ただ、マテリアル、適切なマーケットの選択、そしてデザインに関しては皆で相談し合い、余計な物を削ぎ落としていきます。最終的には選んできたマテリアルの質感、使い方はアーティスト自身の創造性によって決定されています。

34_cramp-chair1.jpg
metal staple chair

影響を受けてる人や好きなアーティストを教えてください。

私たちの家具、インテリアのパーツのほとんどがハンドメイドであり、アンティークの物ばかりです。私たちに最も影響を与えているのは、我々がパーツとして使うそれらのアンティークやビンテージの部品などを作った職人達という事になるかもしれません。名前が知られている方々ではないかもしれませんが、彼らのクラフトマンシップにはとても影響を受けています。

32_gun-planter1.jpg
gun planter

作品のアイディアはどこから生まれるのですか?

D2がクリエーションに使っているジャンクと呼ばれるビンテージ、インダストリアルアイテムやパーツから直接インスピレーションを受ける事が多いです。

47_r1.jpg
bullet sizer ring

なぜニューヨークで活動することになったのですか。また日本で活動する予定はありますか?

ニューヨークには私たちにとって魅力的な素材がたくさんあるという事が大きな理由です。他の国では見ることのできない、アンティーク、ビンテージのアイテムを探すためにニューヨークで行われるフリーマーケットやアンティークフェアを頻繁に訪れています。またニューヨークはアーティストや起業家にとって大きなチャンスのある街です。私たちにとってニューヨークは最高の舞台であると思います。
また、D2は日本での活動も視野にいれており、ヨシとティムは現在東京で活動しています。

62_vest1.jpg
white canvas vest

日本とニューヨークで感じる差はありますか。あるとすればどういったものですか?

全体的に日本の製品はアメリカの物に比べ洗練されているような気がしています。ただアメリカの大胆でシンプル且つ荒削りな物作りは、日本の物作りにはない大切な要素だと感じています。この違いは日本とアメリカの文化の差からも感じる事ができます。大胆でシンプルな物は飽きもなく長く使用できる、それがアメリカでアンテークやビンテージのアイテムが重宝される理由だと思います。

91_img3586w.jpg
abstract paint tie

今回のSHIFTカバーデザインのコンセプトについて教えてください。

D2のクリエーションにおいて必要不可欠な要素であるテクスチャーをコンセプトとしたカバーデザインにさせて頂きました。

今後の活動予定や、挑戦していきたいことを教えてください。

今年7月にM55ギャラリーでの展示が控えています。今後は展示活動においても、積極的に挑戦していきたいと思っています。
現在取り扱いをしてくれているお店は、ダンボとウィリアムズバーグのブルックリンエリアに限られていますが、マンハッタンにも進出して行きたいと思っています。
また、日本での取り扱い店は東京の一店舗のみですが、今後はD2の商品を逆輸入し、自分達の活動の場を拡げていきたいと思っています。

SHIFTの読者へのメッセージをお願いします。

私たちのクリエイションにおいて重要なことは、自分達の作品を通じて何か感じてもらい、楽しんでもらう事です。今回のインタビューを通してD2の活動、作品に興味を抱いて頂けたら嬉しいです。
D2がいつの日かアーティスト、デザイナーの方々に刺激を与えられるようなデザインコレクティブになれるよう、今後も活動を続けていきたいと思います。

D2
info@d-002.com
http://d-002.com

Text: Hanae Watanabe
Translation: Yuji Shinfuku

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE