游思(ヨウ ・ス)

PEOPLEText: Emma Chi

あなたの絵画にとって、もっとも大きな影響を与えた芸術家は誰ですか?

学生の頃は西洋の巨匠たちの古典的絵画が大好きでした。特に影響を受けたのはフランス印象派と後期印象派の巨匠です。学校を離れ一人で制作するようになってからは、フランス在住の画家、ザオ・ウーキ-氏の作品に特に魅力を感じるようになりました。その後ニューヨークに長期滞在し、アートの舞台に次々と現れる若いアーティストたちの作品に触れ、現代アートの中におけるモダニズムとポストモダニズムの全体像を把握したことは私の絵画に消すことのできないほどのインパクトを与えています。例えばドイツの画家アークマンや、ニューヨーク在住のイギリス人女性アーティスト、セシリー・ブラウン、そして日本の村上隆など沢山のアーティストの影響を受けました。

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なぜ絵画の道を選んだのですか?

実は絵画を好きになる以前、私は舞台美術を学んでいました。結局のところ、絵画が一人で全てをコントロールし制作できる唯一の芸術だったので、これまで続けてこられたのです。もちろんはじめは家族の影響で絵画の道に入りました。(ヨウ・スの父ハ・チョンウェン、母ヨウ・ロングは共に1949年以降の中国国内の重要なプロパガンダ画家である。)

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あなたは作品を通じてどのような思想を表現しようとしていますか?

絵画を通じて私が伝えたいのは、“現代絵画”とはモダニズムの観念やそれを支える理性を受け継ぐだけではダメだということです。忘れていけないのは、伝統の意義における視覚の美、その定義の回帰も必要だということです。

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伝統的な水墨画の技法を覆したのはなぜですか?

何が伝統的な水墨画で何が現代的かに興味を持ったことはありません。私が関心を持っているのは、どんな伝統を選ぶか、伝統の何が私の創作の出発点になり得るかということです。(過去と現在の関係性は決してはっきりしているわけではありませんが)私は創造力を停滞させるものや想像力の足かせになるような凡庸なものは全て壊したいと思っています。(表現方法でも考え方でも、東洋的だろうと西洋的だろうと)他の人が既に考え、実行していることは避けるようにしています。

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