ローランド・ベリー

PEOPLEText: Wakana Kawahito

モチーフもウォーホルの影響を受けているように思えたのですが。たとえば、マリリン・モンローなど、アメリカ文化の象徴となるアイコンを沢山使用していますよね。

マリリン・モンローは美を象徴するものとして、お気に入りのモチーフの一つではあるね。彼女の顔に加工をして醜くすることで、美と醜を対比させているんだ。

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アーティストとしての信条は何ですか?

常に自分にハードルを課して、挑戦していくことが、アーティストとしての私の生き方。ファッションブランドでのデザインもしているので、9時〜19時まではデザインの仕事や自分のスタジオの経営などの仕事をしている。それが終った後にペインティングの作業が始まるんだ。19時〜深夜2時、時には早朝4時頃までになることもあるよ。ハードワーカーと言う人もいるけど、アーティストとして生きているのだから、まったく苦にならないね。

また、ストリートアーティストとしてのこだわりは、たとえ危険が伴っても(警察につかまりそうになっても)人がやらないことをやるということ。つまり、目立って見つかりそうな場所に日中に作品を貼ることだったり、たとえ制作に1ヶ月以上掛かった作品であっても躊躇無く貼って置き去るということかな。

たとえば、シルクスクリーンのこの作品をホームレスが眠っていたところの壁に、彼を起こさないようにしながら、貼ったことがあるんだ。しかし実はこれはギャラリーでは結構な値段で販売されている。アートマーケットでは高い値がつく作品だけど、ホームレスにはタダでプレゼントする。これが面白いんだ。

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あなたの絵をストリートに貼ると、警察などにすぐはがされてしまうかと思いますが、それでもかまわないのですか?

たとえ絵が破られても、はがされてしまっても、それはたいしたことではないんだ。一瞬でも人々の感情に訴え、質問を投げかけることができれば、それはとても意義があることだから。

私はいつも何かに「挑戦する」ということを念頭に置いて、作家活動を行なって来た。それは社会に対する挑戦でもあるし、私自身に対する挑戦でもある。今後も、恐れること無く、挑戦を続けていくよ。

ローランド・ベリー「COLUR IN THE STREET」展
会期:2011年8月26日(金)〜11月13日(金)
時間:11:30~21:00(不定休)
会場:DIESEL ART GALLERY
住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti B1
TEL:03-6427-5955
https://www.diesel.co.jp/art

Text: Wakana Kawahito
Photos: Ken Kato

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