ジョン・ワン

PEOPLEText: Emma Chi

かつてニューヨーク・ストリートアートの伝説的人物であったジョン・ワン。彼は今や偉大なアーティストの一人である。故郷のニューヨークで、その街のパワーに満ちた作品を誠実に作り続けてきた。現在彼は現代美術のスター的存在として認知され、アーティストランキングのトップ500に名を連ねている。

天才、ジョン・ワンは単なるグラフィティ・アーティストではない。抽象画家でもあるのだ。彼の作品は色彩に溢れ、人の心を動かす。コンテンポラリー・グラス・ペインティングの持つ鮮烈なテクスチャーをあらわにする彼の作品は、世界中で高く評価されている。今ジョン・ワンは中国において自身初となる個展を開催している。彼にとって三度目の中国訪問である。

ジョン・ワン

ジョン・ワンは幼い頃、ニューヨークのスラム街の壁や電車にグラフィティアートを描き始めた。「電車は、まさに街を巡る美術館でした」そんな彼の作品からは、アメリカ文化とヨーロッパ文化の両方を強烈に感じることができる。彼の創作哲学は独特だ。「私の絵の描き方は、抽象派が即興で創作するようなものです」と彼は自分の作品を説明する。その言葉どおり、彼は決して芸術への歩みを緩めることなく、モチベーションに突き動かされながら創作を続けている。

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今回上海で展示されている最新作に、彼は中国らしさを大きく取り入れている。『1980年頃の私はストリートや地下鉄に自分の名前を書きつけていました。今も変わらず、私は自分の言語で表現をしています。ただ何を表現するかが昔とは違います。』ジョン・ワンは語る。

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『壁の白い色は、ライトの具合によって立体的な模様を生みます。その流れるようなラインは、中国の筆をイメージしています。別の場所には白黒の絵画が2枚あります。これは中国の陰陽ととらえることもできます。』彼の作品は色彩の大爆発であると同時に、中国書道へのオマージュでもある。彼のペインティングの中に中国書道の技法の影響を見ることができる。

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