アンナ・グレイ&ライアン・ウィルソン・ポールセン

PEOPLEText: Nat Andreini

他のほとんどのプロジェクトは私たちが最近学んだことについての興奮や情熱といった感情から生まれてくるものです。きっと私たちはファンであるという事実に既に気付いているかもしれないわね。つまり、プロジェクトの背景にある内容やアイディアは私たちが発信している主題への愛から生まれているということ。そして、アートとの対話に対する愛情。きっとこういったアプローチに起因して、私たちはある種の「fan-art」を創っているのかもしれない。文化の創造者というよりは、むしろ観衆のメンバーであったり観客として自らを位置づけているの。私たちは返答としての作品を作り、私たちのプロジェクトの多数は他の観客が補填したり再規定するモデルとして鑑賞する対象となる。観客/ファンがアクティブでいる術への可能性を私たちは提供しているのね。

インターネットに見受けられるのは、情報の階層化で、それはやや表面的なものであるようにも感じられるね。例えば、インターネットでどこを検索するかどうやって見極める?そこには全てがあり、誰でもダウンロードや組み替えができて、他の何処にでもアップロードすることができるでしょ。「UbuWeb」という物語性を排した素晴らしいアバンギャルドアーカイブといった驚嘆に値するプロジェクトがあるの。グーグルの検索結果には載ってこないものよね。そう、だからどのようにしてそういったものを探し出すか?私たちはより上手な検索者でなくてはならないし、検索語についても微妙なニュアンスの違いを理解するべきだし、内容や論評の対象となっている情報に対してより鋭い洞察力を持たないといけないわ。

この情報の階層化には特筆すべき点があるわ。何かの学術論文を読みながら、その記事についてのYouTube堂がやファンサイトをチェックしたり、友人とのカジュアルな対話から情報を集めたりね。また、鵜呑みにしていたり包括的な開示といった興味を削がれるような傾向もあるわ。この指摘をした理由は、「The Classroom Reader」への序論で知識の階層化に対する批判を書いたの(私たちが自分自身に矛盾を抱えたくはないわ)『この一見解放を装っている均等化効果とは、支配的なある種の相対主義の産物であって、私たちが受け継いで来た文化的遺産に関する深遠な知識を軽視し、それを一般的な知識と同等に評価してしまう。例えば、サンドウィッチを作ることと同じように。』

今はどんな展示、パフォーマンス、または出版に取り組んでいるのでしょうか?

PICATBAフェスティバルに向けて活動しています。これは出版と立体作品を折り混ぜた巨大な編集プロジェクトになります。私たちはガードナーの教本「Art through the Ages」の色別の索引付けに取り組み、また、スワデシュリストに関した画集にも取りかかっています。 

そして、「living room lecture」も機会があれば続けていきます。これは主催者に5つか6つの課題を選んでもらい、彼らの居間でパワーポイントを駆使しながらそれらを一つに紡いでいくの。願わくば次回は「ポートランドのリビングルーム」と呼ばれている「パイオニア・スクエアー」で開催したいわね。

Text: Nat Andreini
Translation: Yoshitaka Futakawa

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE