北海道&上海アジアクリエイティブフォーラム

HAPPENINGText: Katsuya Ishida

アジアのアートマーケットの好調さは近年のアジア(特に中国)の動向として様々なメディアで伝えられているが、その震源地の一つとしてあげられる上海。昨年の上海万博を契機に街の様相も一変し、世界でも最も活況を見せる都市の一つとして現在もその勢いは止まらない。(その勢いは人口にも影響し、その数は上海だけで2500万となっており、今現在も増え続けている。)

そんなアジアンアートマーケット震源地、上海には芸術区と呼ばれるアートゾーンがいくつも生まれ、中国国内だけではなく世界各国様々なアーティストやデザイナー、ギャラリスト等が日々クリエイティビティを競い、生き残りをかけてしのぎを削っている。

北海道&上海アジアクリエイティブフォーラム
Photo: Kumiko Saito

4月にも関わらず30度を超えた4月25日。上海南外灘地区のベイサイドエリア「The Cool Docks/老碼頭(ラオマートウ)」で「北海道&上海アジアクリエイティブフォーラム」が開催された。このフォーラムは、食や自然に限定されがちな北海道への誘致活動を文化的な側面から行い、北海道地域から発信される創造産業の新たなビジネスマッチングの試みとして企画された。

今回はその第一回目としてデザイン、音楽、ファッション等、北海道を代表するカルチャーの牽引役をプレゼンターに迎えて行われた。

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Photo: Kumiko Saito

フォーラムはオープニングアクトとして札幌のサウンドアーティスト・大黒淳一氏のパフォーマンスから始まった。上海の街から採取したフィールドレコーディングによって作られたサウンドと、上海と北海道の風景をミックスした映像がフォーラムの開催に華を添える。

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Photo: Kumiko Saito

そして開演時間18時30分になる頃には150名定員の会場が満員の状態に。進行役のSHIFT中国語版編集長・鳥本健太氏の開催の挨拶後、セッション1「Introduction of Creative Hokkaido」と銘打たれたプレゼンテーションセッションが始まった。

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Photo: Satoshi Kinokuni

プレゼンターは札幌を代表するグラフィックユニット「ワビサビ」の工藤氏と中西氏、「メイクの楽しさを届ける」をコンセプトに活動するサンクスギビングメイクアップ代表の横山美和氏、札幌コレクションの企画等を指揮するノーブルサベージ佐々木大輔氏、現在では世界的な認知度を誇るボーカロイドソフト「初音ミク」を開発しているクリプトン・フューチャー・メディア代表の伊藤博之氏の4組。

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グラフィックユニットであるワビサビはこれまでのユニットでの作品を中心にこれまでの活動を紹介。

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続いてプレゼンテーションに立ったのは、メイクアップアーティストの横山美和氏。プレゼンテーションではライジングサンでの活動などこれまでの活動の紹介を行った。

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続いて札幌コレクションのプロデューサーを務めるノーブルサベージ代表の佐々木大輔氏。札幌コレクション開催直前の超多忙な時間を割いて、フォーラムに参加。

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セッション1の最後は中国でも絶大なる人気をもつ初音ミクの開発を行っているクリプトン・フューチャー・メディア代表の伊藤博之氏。

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初音ミクは中国でも認知度としては一級。セッション終了後の質疑応答では中国語版の発売予定の有無など聞かれ、関心も非常に高かった。

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セッション1終了後、着席形式だった会場を一新し、セッション2「Buffet x Music」を開催。北海道の食材、食品も活かした料理、飲み物を音楽とともに提供し、くつろいだ雰囲気のなかで参加者間の交流が進む。

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会場ではワビサビ作品である風船の盆栽がゲストへのプレゼントとして配られていた。

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また、セッション2の時間ではセッション1で登壇した横山美和氏が来場した女性に日本のメイクアップを実践し、好評を博していた。

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Photo: Kumiko Saito

参加者が歓談している中、突如として始まったヒトミトイ氏のライブパフォーマンス。素晴らしい歌声を披露し、参加者を魅了した

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Photo: Kumiko Saito

そして会場の盛り上がりをさらにヒートアップさせたのが札幌を代表するサウンドアーティスト・クニユキタカハシ氏。ライブでは様々な楽器を使った即興音楽を披露した。

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Photo: Takeshi Matsuura

実はこのフォーラム、当初150名定員で募集したところ、募集開始数日でその数倍の応募があったという。アジアのアートシーンは中国に有りと言われて久しいが、やはり日本のカルチャーへの関心は衰えていないどころかさらに高まってきている、そう感じたイベントでもあった。そのような中で来場者からは非常に有意義だったという多くの声が聞かれた。

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Photo: Takeshi Matsuura

しかしその一方で、『さらなるビジネスマッチングにはやはり食や自然も含めたほうがよいのではないか?』『北海道のカルチャーを紹介するだけでなく、上海のアーティストとのコラボレーションがあってもよかったのでは?』『ビジネス的な展開をもっと実務レベルで行う機会として次回開催を期待している』など、今後の展開につながる意見も聞かれた。

今後、北海道及び札幌が地域間連携、そして地域間競争を勝ち抜いていくためには、その土地にあるドメスティックな状況、つまり文化観、歴史観、そういった文脈を捉え、いかに地域に根ざしたクリエイティビティを使いオリジナリティを保持していくのか?そしてそれぞれのマーケットの動向を見据えた展開をいかに進めていくのか?

今回のフォーラムはそういった意味でも非常に意義深いものであり、創造都市として札幌が生き抜いていくための課題も見えたイベントであった。

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フォーラム開催の次の日。メイクアップアーティスト・横山美和氏のメイクアップツアーが南京東路のラッフルズシティにおいて展開された。上海の中心地でもあるこの地でも日本のメイクアップのトレンドは非常に関心が高く、多くの人がメイクアップを体験していた。

北海道&上海アジアクリエイティブフォーラム
日時:2011年4月25日(月)18:30〜22:00
会場: Old Wharf No. 1 Club
住所:Bldg. 1, Old Wharf Leisure & Original Park, No.479, South Zhongshan Road, Huangpu District, Shanghai 200010 China
フォーラム出演者:ワビサビ、佐々木大輔、横山美和、伊藤博之
ライブ:一十三十一、クニユキタカハシ
オープニングアクト:大黒淳一
モデレーター:鳥本健太(SHIFT上海)
ステージコーディネーター:大口岳人(SHIFT)
主催:上海ぐるなび、SHIFT、NPO法人札幌ビズカフェ、株式会社JTB北海道、株式会社トライ・ビー・サッポロ、北海道新聞社

フォーラムのトーク内容は「SAPPORO6H」でご覧いただけます。

Text: Katsuya Ishida
Photos: Katsuya Ishida

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