プリマベーラ・クラブ 2010

HAPPENINGText: Julio Cesar Palacio

今年のプリマベーラ・クラブ・フェスティバルの開始一週間程前に、ちょうどそのイベントについてリサーチをしていて、街での音楽について書かれた沢山のブログを発見した。

少し気になったことは、多くの音楽ブログは音楽自身についてあまり興味がないようにみえること。つまり、プリマベーラ・クラブとは、プリマベーラ・サウンドの縮小版でより実験的なイベントであるということを皆が知っていて、多くのブロガーはプリマベーラ・サウンドと同じようなラインナップをプリマベーラ・クラブに期待しているということだ。個人的な見解としては、人気バンドをまた連れてきても退屈だろうなと思うのだ。それは、ブロガーがいかにそのバンドを好きでも、彼らのバイブルでもある音楽ポータルサイトのピッチフォーク・メディアが絶賛していたとしてもだ。

Primavera Club 10
Callers

一つの大きなパワーを持ったピッチフォークのようなウェブサイトを元に(彼等は素晴らしい見解を持っているとは思うが) 、音楽を批評する人たちが各々の”好き”を決定するのは、あまりに怠けたことだと思う。バルセロナでは沢山のことがローカルシーンで起こっており、小さい規模の方であるプリマベーラ・クラブが、彼等の活動を応援するということはとても賢く、正しいことだと感じた。

例えばローカルで面白いレーベルのオゾノキッズは、10年程精力的にプロモーションやイベント行い、ローカルなものであったりインターナショナルなものであったり、あらゆる世界中の音楽好きのためのイベントのオーガナイズをしている。もちろんプリマベーラ・クラブに参加するアーティスト達はスーパーセラーではないし、有名でもない。だけど、音楽なので、まずは聴くことから始めなくちゃと思う。

僕がこれをどうして言うかというと、フェスティバル側が選んだアーティストについて、多くの人がブログ上で批判をするからだ。しかし、来年のプリマベーラ・サウンドに参加するアーティストについては、フェスティバル側は少ししか発表しなかったので、いわゆる“音楽評論家たち”には、あまり失望する時間がないのではないだろうか。

発表されたのは、パルプスーサイドコメットゲインアニマル・コレクティブや他にも少しと、大御所で人々を魅了しているアーティストなどだ。おそらく、後から追加される参加者で反撃してくれることと思う。

ここで言いたいことは、大規模なフェスティバルが、音楽のローカルシーンや実験的な試みをサポートしているということ。この冬バージョンのフェスでは、もっと地元の人々に注目している。というのも、ヨーロッパ中からプリマベーラを楽しみくる人たちは、夏のイベントのプリマベーラ・サウンドの方に集中するからだ。

Primavera Club 10
Frankie Rose

では、今年のイベントについてレポートしよう。初日は2組のファンタスティックなライブから始まった。繊細で幻想的でポップなワイルドナッシングのライブが行われ、次のフランキーローズ&ザ・オーツによるガーズルバンドは、ちょっぴりサーフとロカビリーのエッセンスのある、ガレージとシューゲイザーをミックスしたバンド。とても情熱的で、40分のライブが15分に感じられたほど。ファンタスティック!

Primavera Club 10
Wild Nothing

2日目のプランを立てていたところ、見たいと思うライブを全て見ることは不可能だと気付いた。なぜなら、今回のプリマベーラ・クラブは、街にあるいくつかの会場で分けて開催していて、会場を行き来するのが困難だからだ。

Primavera Club 10
Josephine Foster & The Victor Herrero Band

そこでまず、Casino L’Aliança del Poblenouへ行くことにした。ここでは、ジョセフィーヌ・フォスターザ・ヴィクター・エレーロ・バンドと共に、奇妙だけどやわらかなコラボレーションを披露。ジョセフィーヌの歌声はユニークで、アンダルシアの伝統的な歌と良くあっていた。

Primavera Club 10
Edwin Collins with his son

その後、この会場は、大御所シンガーであるエドウィン・コリンズを観に来た観客で混雑した。他の素敵なバンドも加わり、レパートリーの中からいくつかライブをして、彼の息子も参加しステージで歌って踊った。とても感動的なライブとなり大喝采が起こった。

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