舞台「資本-論」

HAPPENINGText: Emma Chi

マルクスの世紀の名作「資本論」にインスパイアされた舞台「資本-論」。上海話劇芸術センターを中心として制作されてきたこの作品が、8月19日から8月29日まで上海美琪大戯院で上演される。

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数多くの賞を受賞した脚本家ユィ・ロンジュン、鬼才監督ヘ・ニェン、著名俳優シュイ・チョン。この三名を主軸に編成された作家、監督、俳優の素晴らしいチームで創り上げた本作。マルクスが自らの人生最大の傑作の中で謳った思想を、新時代のユーモア溢れるコメディの中に明らかにしてゆく。資本を支配したいか? 金持ちになりたいか? 金の世界の主に君臨したいか? その答えはこの舞台で明かされるだろうか。今回SHIFTは俳優シュイ・チョンを訪れ、本作を演じる彼の心境を聞いた。

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この舞台は観客に受け入れられると思いますか?

もちろんです。

なぜ「資本論」を舞台にしようと思ったのですか?

この30年間、中国は経済や生活水準において、めざましい発展を続けてきました。経済は今や中国人の最大の関心を集めています。加えて2008年には世界的な経済危機が起こり、欧米国家に根ざしていた「資本論」は崩壊しました。これは非常に興味深い出来事です。そこでプロデューサー、ヤン・シャオリンが「資本論」をベースに舞台をつくることを決めたのです。去年、監督ヘ・ニェンが「資本論」を脚本としてアレンジする際、我々はよく考えました。結局のところ観客が求めるのはどんな舞台なのだろうかと。「雷雨」のような作品だろうか?それともシェークスピア風のもの?あるいはもっとシンプルな、都市市民のコメディなのか?

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この作品の見どころは?

たくさんありますが、この作品のテーマは全ての人に関係のあることですし、舞台構成は創意に満ち、インタラクティブな内容です。さらにこの作品は濃密な情報量を含んでいますが、ミュージカルの要素など観客に驚きを与えるしかけによって、誰もが簡単に理解することができるようになっています。ストーリー、キャラクター、構成、すべてが観客のために創られています。

あなた自身は、演技に関してどのような挑戦がありましたか?

技術面では膨大な量の台詞があり、しかも歌やダンスも必要なので、その点が私にとってはチャレンジでした。そして作品の内容も大きな難関でした。この脚本に取り組むことで、私は自分自身の価値観を見直す機会を得ました。単に役者としてだけでなくひとりの人間として考え、その結果私の世界観が少しずつ変わっていきました。

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真実と不条理、この二つについてどうお考えですか?

真実と不条理はひとつの線の上に存在していて、簡単に入れ替わることができるものです。例えば我々が投資家に意見を求める時、彼らは資本市場に起こる色々な事例を挙げてくれます。そこにはなんとも不条理な真実が垣間見えるのです。

この作品を作ったのは、中国が資本主義になるべきだと考えたからですか?

そうではありません。我々は中国の特徴である社会主義の路上にいます。そこから先への道を模索していますが、中国人には中国人としての価値観があります。あらゆる国が資本主義化していく中、我々はこの舞台で明確な立場を示すつもりはありません。体制と議論をしたいのではなく、観客一人一人に問いかけたいのです。

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あなた自身がもし富める人であったなら、お金を何に使いたいですか?

私には何かに投資する能力はありません。自分の好きなことをしていれば幸せです。大半の欧米の人々とは違うでしょうが、私はお金はいつも銀行に預けています。

舞台「資本-論」
会期:2010年8月19日~29日 19:00開演 (月曜日休演)
入場料:100〜580元
会場:上海美琪大戏院
住所:上海市静安区江宁路66号
TEL:+86 21 6217 4409
ttp://www.china-drama.com

Text: Emma Chi
Translation: Shiori Saito

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