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K-マルクト・ガルニソネン

PLACEText: Victor Moreno

スウェーデンでユニークなランチを提供しているK-マルクト・ガルニソネンは、ひょっとしたらこの国で最もコストパフォーマンスの高いレストランと言ってもよいかもしれない。その理由は “食品ロスと戦う” という彼らのポリシーにある。目に付いたものを食べることができ、メニューがないというのがコンセプトである。また、客は、食べた食品の重量に応じた支払いを行う。つまり、たくさん食べれば多く支払い、あまり食べなければ支払いも少ない。この方式はスウェーデンにおいて、少なくともランチレストランでは極めて珍しい。このアイディアは、客各々が適切な食事量を確保することで、余って廃棄を待つ食品を減らすということだ。このレストランは、夜間は一般営業していないが、プライベートイベントは催されており、800人までゲストを迎え入れるキャパシティがある。

私たちは、元ウェイター兼ソムリエであり、現在K-マルクト・ガルニソネンの経営者であるイェンス・ドルクに話を聞く機会に恵まれた。イェンスの他には、この4年間ノーベル賞の晩餐会でデザートを担当しているシェフパティシエであるダニエル・ルースとK-マルクトの実質的なシェフであるハンナ・ノルマークが同席した。

K-マルクトのもう一つの重要な魅力は建物である。K-マルクトが入居する1971年に竣工された建物はスウェーデンの文化財として登録されており、政府の許可がなければ改装することができない重要な建物なのだ。この建物は構造主義運動の様式に属しており、時折建築学科の学生が訪ねてくる。元来の計画ではスウェーデンの国会議事堂になる予定だったが、政府所有の建物にし、すべての政府系企業をこの建物に移転させた。これは1960年代末から1970年代初頭のことであった。ここは賃料の安い辺鄙な地域であったが、今日ではこの街で最も高級な地域の一つの中心部となった。調理場だけは新しいモダンな設備に替えられているが、フロアや窓などのレストランのすべては当時のままである。

イェンスは、『私たちはサスティナビリティを重視して務めていますが、地元の食材や有機食材のようなものを使用するといった従来の手段を採ってはいません。そうではなく、当店のすべてのミッションは “食品ロスと戦う” ということです。これは完全に新しい考え方ではありませんが、スウェーデンにおいては新しいと言ってよいかもしれません』と説明した。

私たちは、この “食品ロスと戦う” プロセスの実際の方法についてもう少し尋ねてみた。『私たちは何を料理するのかを事前に知らされてはいません』イェンスは述べ、続けて『基本的にシェフたちは朝6時半に出勤してきます。その時点では、その1日11時から約600人のお客様のために何を作ればいいのかについての手がかりはまったく与えられません。当店は、在庫が多すぎるもの、誰も欲しがらないもの、その時点では完璧だが翌日には品質が悪くなるもの、消費期限がすでに切れたもの、まもなく消費期限が切れるものなどの訳あり食材を卸売業者から買い付けます。「おい!その食材古くないか?」と仰る方もいますが、そうではありません。このような方法で購入しなければ、古くなり捨てられてしまうような食材を当店では調理しているのです。この方法を採ってからというもの、この方法ならばそれらの食材を無駄にせずに済むと確信しました。例えば、当店と取引している複数の野菜卸業者のうちの1社は、問屋にいるとき「K-マルクト」と書かれたカートをいつも携えています。当店では特定の希望する食材を発注することはせず、「明日、野菜300kg」とだけ言うのです。何を仕入れるかはその業者が何をカートに入れるかに委ねており、彼らはその時点では完璧でも翌日には品質が悪くなる食材をカートに入れます。彼らがここに持ってくる頃には、私たちはそれらの食材を直ちに使うことになり、その日の昼間には調理して提供します。夜では間に合いません。他のレストランでは採られていない方法です。あらかじめプランがあり、食材は前日に買い付けなければならず、なおかつメニューがあり、そのすべて売れるかどうかはわからないのです』と述べた。

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