ユニフォームズ・フォー・ザ・デディケイティド

PEOPLEText: Victor Moreno

ファッション、音楽、映像、アートディレクションを手掛けるスウェーデン期待のクリエイティブ集団。

ユニフォームズ・フォー・ザ・デディケイティド(以下ユニフォームズ)は、その名のとおり、エネルギー、才能ともにあふれる志高いブランドだ。毎回コレクションではアート、デザイン、マルチメディア、音楽が見事に共存した世界を見せてくれる、まさにクリエイティブな若き大物集団だ。彼らは2年前に名誉ある新人賞を獲得し、スウェーデン・ファッション・カウンシルによる「2008年注目ブランド」に選ばれた。今日では世界中にその存在を知らしめている。

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March of No Coincidence, Collection for AW2010/2011

彼らの活動拠点はストックホルムとヨーテボリ。創作活動を行う際、基準や制限は設けない。次回の2010-2011年秋冬コレクション「マーチ・オブ・ノー・コインシデンス」(March of No Coincidence)に伴い、「人生での自分の道の見つけ方」を探るシリーズ化したボードゲームを制作。また、2010年春夏コレクション「1020 トリッカリー・レーン」(1020 Trickery Lane)では、彼らの溢れ出るクリエイティビティを表現するためにインスタレーションの場となるバーを取り壊すこともあった。さらに彼らは、活躍が期待されるスウェーデンの新人アーティストのビデオクリップ配信も行っており、前回の秋冬キャンペーンではRam Di Damとの作品「ア・プレイ・オブ・ナンセンス」が使われた。

実際、いくつかのスウェーデンのIT企業は彼らに対して、より本質的な戦略を考える上での意見を求めている。北欧の一流デパート「NK」や、ロサンゼルにある「No.A」、 ロンドン並びにコペンハーゲンの「アーバン・アウトフィッターズ」、コペンハーゲンとベルリンのウッドウッド、アムステルダムにあるコンクリートや東京のイヌイメゾンは、ユニフォームズを扱っているほんの一例だ。

どのようにしてこのクリエイティブ集団は始まったのですか?

ユニフォームズは、この集団で新たな能力を発揮してほしいと継続的に招かれたミュージシャン、イラストレーター、アーティスト、デザイナーらのプラットホームとして機能しています。初めは2001年にスノーボード集団として立ち上げ、今日では、デザインと音楽が共存するクリエイティブなネットワークに発展し、新しいプロジェクトを拡大中。活動の中心はメンズファッション、音楽、映像、アートディレクションだけど、最近ではデザインとコミュニケーション戦略分野のコンサルタントの仕事もしています。最初のコレクションを発表したのは、2008年8月です。

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March of No Coincidence, Collection for AW2010/2011

現在のユニフォームズのメンバーを紹介下さい。

フルタイムで活動するコアメンバーは4人、それに加えてコンセプトを整え、この会社を立ち上げたスタッフがいます。オフィスには2人のフルタイム・スタッフ、そして常に12~15人の人々がこの集団に出入りし、音楽、ファッション、映像、アートに携わっています。

この集団の初期からファッションデザインはメインでやっていたのですか?

当初の目的はファッションだけということではありませんでした。仲間と共に世界中を旅するなど、現在の形になるまでには数年かかりました。後に、そんなクリエイティブな旅を続けていきたいと気付き、ファッションは、私たちが集まって活動していくツールのひとつとなりました。ファッションでは、アート、デザイン、音楽など様々な表現を組み合わせることができるので。

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1020 Trickery Lane

異なる分野の人たちが関わり合うアーティスト集団として、どのように機能しているのですか?

新しいことを始めるときは2つの逆の視点から始めます。「パッケージ」としてリリースをするのですが、例えばこの春、僕らは「1020Trickery Lane」というコレクションを発表して、リッシュというレストランでアートインスタレーションを行いました。それと同時に同じ名前で楽曲をリリースして、このミュージックビデオで洋服、そしてデザインのコンセプトと結びつけました。こうやって洋服、イメージ、映像、音楽、アートをひとつのコンセプトの下に置くと、ひとつの展望と意味をもった強力なコミュニケーション・プラットホームができるのです。つまり遊び心がクリエイティビティを育てるのです。

プロジェクトが面白くて十分しっかりしていれば、それはパッケージの一部である必要はないし、それ自体が独自の力を持ってきます。コンセプトや仕事のスタイルがどうであれ、肝心なことはユニフォームズはアーティストを巻き込むひとつのツールであり、自由にクリエイトすることで最高の結果が生まれるということ。クリエイティブ・ワークの力を信じろ、ですね!

数年前にユニフォームズはスウェーデンで新人賞を受賞しましたね。

この賞で当時の僕たちは、順調に進んでいるという自信がつきました。それにメンズファッションを男だけの集団でおもしろおかしくやるということで、何らかのトレンドを壊したんだと思います。スウェーデンでのファッションは、まじめ過ぎて終わってしまうことが多くて、コレクションブランドやデザイナーは自分たちのことを真面目にとらえ過ぎると思います。

スウェーデン政府や他の機関はファッション産業の発展をサポートしていると思いますか?

僕にはファッション産業に特にその必要があるのか分かりません。新しいデザイナーは頻繁に出てくるし。必要なのはスウェーデンの起業家に対するより強力で全般的なサポートだと思います。ビジネスを始めるには誰にとっても大変な状況だから。だんだん良くはなっているけど、口先だけでなく、きちんと政府がやるべきことを実行するまでの道のりはまだ長いですね。

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A Play of Nonsense

北欧のファッション・デザイン学校をどう見ていますか?海外経験は必要だと思う?

僕はスウェーデンのデザイン学校についてはほとんど何も知らないけれど、教育がどうであれ、すべてのことが個人にまたデザインに現れてくると思います。優秀な教育を受けることはできるけれど、それでは誰にも面白がられないものを創り続けてしまう。それとも何もないところから始めて消費者の美的感性をとらえ、大成功するか。デザイン分野において僕たちは独学です。

海外からみた北欧ファッションの今の状況と感触について、あなたの意見を聞かせて下さい。

「スウェーデンデザインへの関心」はどこよりもスウェーデンで最も高いと思います。いささか誇大広告かな。ブランディング、デザイン、クリエイティブな表現方法などに地理的な境界はなく、個人次第だと思います。環境が影響をもたないということではないけど、ブランドをその本拠地で判断しようという考えは少し単純すぎるかと。外国に行ったとき、経験する感覚みたいなものですかね。

あなたにとって、どの北欧ブランドがおもしろいですか?その理由は?

ユニークなアプローチをするブランドで、アクネヘンリック・ヴィブスコブアワーレガシー
あとリテーラーとしてのトレビアン・ショップはしっかりしたアイデンティティを確立しているので、とても面白いです。

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1020 Trickery Lane, Collection for SS2010

ユニフォームズの商品は世界中で扱われていますが、どこのマーケットに一番興味がありますか?

今の時点ではスウェーデン、ノルウェー、イギリス、イタリア、日本にフォーカスしているけど、いくつか他にも興味のあるマーケットはあり、少しずつ進めているところです。強力なウェブベースのリテールソリューションが言及されるべきで、とてもグローバルでインタラクティブなマーケットです。

日本ではどこで扱ってますか?

スウィディッシュライフスタイルという日本のディストリビューションを通して扱っていて、東京だと、ヌビアンイヌイメゾンなどの店舗で販売されています。

ユニフォームズの音楽活動について簡単に教えてください。

ユニフォームズ・プロダクションのデュオは僕の仲間のジョナスとニルズにより結成。普段、彼らは曲をプロデュースして面白そうな歌手やバンドとコラボレーションしています。そして4月末にスウェーデン人歌手、アディアム・ダイモットを迎えて新曲をリリースしました。レセプションで反応をみるのが本当に楽しみです。

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1020 Trickery Lane, Collection for SS2010

普段、どんなジャンルのものに影響を受けますか?

すべてのものですね。僕たちの音楽はエレクトロニック寄りだけどインスピレーションはとても幅広いです。これまで関わってきたアーティストには、Stuffa、Nils Krogh、Wester & Wedrén、The Touch、Ram Di damなどがいます。他に興味のあるアーティストは、Adrian Lux、Style of Eye、Paul Kalkbrenner、Familjen、Hot Chip、LCDSS、 Metronomy、Dan Lissvik、Fever Ray、James Yuill、 Siriusmo、The Subliminal Kid & Van Rivers, Miike Snow、Jonathan Johansson、Bogdan Irkuk、Marcus Enochsson、Tiger Stripes, Rollerboys、Punks Jump Up、La Fleur、Dj Nibc、JayAre、Sven Väth、John Dahlbäck、Fakebeat、Krazyfiesta、Hall & Oates、Minimal Compact、Frida Hyvönen…。まだまだ言い切れないくらい、この質問に応えるには数日かかりそうです。

イラストやアート作品も集団の強みですね。

そう、先にも言ったとおり、何らかの方法ですべてが結びつくようにしていいます。新しいコンセプトはブレインストームと素早いスケッチをすることから始まって、それがイラストになりコレクションの中で使ったり、インスタレーションや他のアートプロジェクトの足がかりにもなります。

これまでにギャラリーでアート作品を展示したことはありますか?

アートプロジェクトはユニフォームズの中ではまだ初期のステージにあって、少なくとも骨組みの段階です。僕たちはファッションショーをしながらパリ、ニューヨーク、ミラノ、東京などをまわったけれど、ストックホルムのクリーラップ・ギャラリーとレストランリッシュでしか今のところ展示はしていません。今年の進展で大きな変化があると思いますよ。

Text: Victor Moreno
Translation: Saori Hashiguchi

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