NIKE 公式オンラインストア

CTRL

PEOPLEText: Victor Moreno

世界中が、スウェーデンのファッションブランドによるサクセスストーリーで溢れているにもかかわらず、CTRLと同系統のブランドがフィンランドから外へ踏み出そうとしない現状の中で、私たちがヘルシンキでやっていることは先駆的な仕事をしている良い例でもあります。フィンランド政府にも責任はあると思いますね。政府は、ノキアのようにテクノロジーをビジネスの中心にすえた企業をサポートすることのみに焦点を置き、ファッションを輸出することには興味がありません。ファッションが大きなビジネスであることを理解していないのです。スウェーデンでは、政府がクリエイティブ分野の企業の海外進出を強く推しています。そのため、世界市場でのスウェーデン・ブランドは、フィンランド・ブランドと比べてはるかに新鮮なのです。

だからフィンランド・ブランドにはCTRLが必要なのです!!たのむよフィンランド、愛はどこにあるの!?って聞きたいです。

CTRL SS10 LOOK BOOKCTRL SS10 LOOK BOOK
CTRL S/S10 LOOK BOOK

グラフィックデザイナーとして、いま現在同じ道を歩もうとしている人たちに何かアドバイスはありますか?

グラフィックデザインとウェブデザインを学びましたが、CTRLの立ち上げで忙しくなってしまったために卒業はしていません。仕事を始める糸口を得られたことで学校へ通うことの意味合いは満たされたと思っています。勉強することは大切だと思います。人生の中でも面白い時期で、給料なしで働いているようなものですね。しかし、卒業して職を得たら人生の次の段階です。学生として苦労した後ならば、給料のありがたみをたやすく理解することができるでしょう。だからといって、学校へ行くことが義務なわけではではありません。やりたいことが分かっていて、そのための技術も持っているならば、学校へ行く必要はないはずです。それに、仕事をやる上で必要なことの大部分は学校で習わないことではないでしょうか。学校では別のことを学ぶのだと思います。全般的にマインド・トレーニングのようなものですね。実際的な要素がない瞑想のようなものです。海外の学校に行くのはいいですね。将来のためのいいネットワークづくりになります。となりの芝はいつでも青いですしね。

CTRL SS10 LOOK BOOKCTRL SS10 LOOK BOOK
CTRL S/S10 LOOK BOOK

ファション・ビジネスに関わることになった経緯を教えて下さい。

自然な成り行きでした。スケートボードやTシャツなどを通じて洋服やグラフィックにいつも夢中になっていましたから、洋服のデザインはとても簡単だという印象でしたね。母親から教わった以外に正式なファッションの教育は受けていません。母は私が子供の頃、いつも着るものをつくってくれたものです。スケートボードやスノーボードの雑誌からアイテムを選び出し、それらをもとに服のスケッチを起こすと、それを見て母がつくってくれました。現在CTRLと工場が一緒にやっていることと似ていますね。実際、ファッションをやる上で最も重要なスキルは優れたセンスだと思いますよ。それさえあれば成功します。センスとビジョンさえあれば、技術はたいして必要ではありません。その他のことは、いつだって引き受けてくれる人たちがいるものです。

私にとってのアパレルデザインはグラフィックデザインに通じるところが多くあり、同じ方法を使って物事を組み合わせたり,見つけ出したり、組み立てたりしています。ラフスケッチを起こすことはまずなく、すでに車輪として存在しているものに対して、独自の解釈をつくり出していくような方法で制作します。全てのデザインは、すでに誰かの手によってつくられたものの上に成り立っているというのが私の考えで、常に、世界中のデザイナーが意識下の集団作業を行っているようなものなのです。

CTRLは素敵な洋服をつくっていますよね。クレイジーさ、新鮮さ、ユニークさが合わさって、クオリティの高い作品に仕上がっています。全てフィンランドでつくられているのでしょうか。

デザインは全て私が手掛け、ブランド・マネージャーのエサがコレクションの全体図を担当します。ここまでは全てフィンランドですが、生産はインドや中国で行われています。

CTRL SS10 LOOK BOOKCTRL SS10 LOOK BOOK
CTRL S/S10 LOOK BOOK

CTRLは様々な地域で展開していますが、その中でも注目している成果について教えてください。

一週間前に上海から戻ってきたところで、CTRLの展覧会を上海のソース・ギャラリーで開催したのですが、上海はもちろん、中国全体でストリート・ファッション・シーンがポピュラーになってきたこともあり、素晴らしいものになりました。CTRLを世界に紹介できることは素敵だし、旅は最高の楽しみです。バルセロナでは、近代美術館でもあり、スケートボードのメッカでもあるMACBAの真横で2ヶ月間にわたってポップアップ・ストアをオープンしたところです。日本でのブランド展開もとても順調で、非常に満足しています。現地で一緒に仕事をしているISAOとその仲間たちは本当に素晴らしいです。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE