

マタイアス個展「ALL ABOUT DEMOCRACY」レセプション風景
政治をテーマにしたイラストレーションを描くオランダ人アーティスト、マタイアス(Mathias)の世界初の個展が、2009年11月20日〜2010年1月31日の間、DIESEL DENIM GALLERY AOYAMAにて開かれている。
マタイアスは有名政治家や著名人と今日の世界情勢をテーマに、ユーモアと皮肉たっぷりの風刺画を描く。とりわけ頻繁に用いるモチーフは、アメリカ政治。オバマ大統領やヒラリークリントン国務長官、ジョージ・W・ブッシュ元大統領など、話題の政治家もマタイアスの手に掛かればジョークのネタとなる。

マタイアス個展「ALL ABOUT DEMOCRACY」
『テレビに映る有名政治家はまるで俳優や女優のようであり、全ては演じられているように感じられる。この社会は民主主義社会であると政治家は言うが、もはやそれは冗談になりつつある』と作家は言う。「ALL ABOUT DEMOCRACY」という展覧会名が示すとおり、この展示は彼なりのデモクラシー(民主主義)に対する警告を表現している。

マタイアス「Countdown café」(2009)
『幼い頃から政治に対して関心があった。なぜ、弱い立場の人がいつまでも苦しい状況のままなのか、など疑問に思っていたんだ。2005年に友達と一緒にベネズエラに行くことがあり、それでショックを受けた。貧困の状態が、自分の想像以上で……。その一方で、ヨーロッパやアメリカなどの先進国が起こしている問題や政治家の活動がパフォーマンスにしか見えなくなってきた。そんな現状に危機感を抱いて、作品をつくったんだ。』

マタイアス「Bye bye dollar」(2007)
マタイアスのイラストレーションは過激な表現も多い。たとえば、ジョージ・ブッシュが運転する飛行機がビルすれすれを飛ぶ様子だったり、ヒトラーがユダヤ教徒の格好をしていたり、アメリカを象徴するもの(アメリカドルやファーストフードの商品など)が便器に流されている様子が描かれている。

マタイアス個展「ALL ABOUT DEMOCRACY」ビデオアートインスタレーション
また、今回、ビデオアート作品も展示されている。9.11を思わせる、ビルに飛行機が向かう様子を表現している立体作品の中では、「Theme Park」というオランダのテレビで流されているアニメーションを3作品見ることができる。その内容は、大企業が社会や人をコントロールしていたり、また政治家自身も誰かに操られているということを揶揄しているもの。キュートなキャラクターが繰り出す、皮肉的なユーモア溢れるアニメーションだ。
作家は『自分の画が過激すぎることは無い』と言う。なぜならば、『現実はもっともっとショッキングだから』と。
ストレートに表現された彼の作品は、私たちの周りで起こっているショッキングな問題に対し、立ち止まって考える時間を与えてくれる。

マタイアス個展「ALL ABOUT DEMOCRACY」
『今の社会は問題だらけだけれども、人々の力で変えることができるんだ。だから、社会をよくするためにみんなで協力できればいいよね。だって、自分がいけないことをしたら、それは自分に返ってくる。僕はそう思うんだ。』
会場では、マタイアスのオリジナル限定Tシャツ(6,090円)やアート作品を販売する他、オフィシャルウェブサイト(PC/携帯)では、「ALL ABOUT DEMOCRACY」オリジナルPC壁紙&携帯待受をプレゼント中。
マタイアス個展「ALL ABOUT DEMOCRACY」
会期:2009年11月20日(金)〜2010年1月31日(日)
時間:13:00〜20:00
休館日: 不定休
会場:DIESEL DENIM GALLERY AOYAMA 2F
住所:東京都港区南青山6-3-3
TEL:03-6418-5323
キュレーター: Kimiko Mitani Woo / MW Company
協力:株式会社 アートフリーク / コエドブルワリー
http://www.diesel.co.jp/denimgallery
Text: Wakana Kawahito
Photo: Ken Kato